「それで話って…?正規の任務じゃないんだったらダアトの中だとマズいんじゃない?」



グリフィンを降りると、ダアトの街の手前で足を止め、レナスが声をあげる



「ふ…。わかってるじゃねぇか…。1つ目はヴァン、2つ目はレプリカとの回線を繋ぐ手伝いだ」



レナスの秀麗な眉がピクリと動くが、彼女はそのまま黙って腕組みをしながら話を聞いている



「まずは１つめのヴァンのことからだ。アイツは俺のレプリカで何か企んでる。ヴァンについてはその詮索だ」



アッシュが1つ目を言い終えると、それまで黙って話を聞いていたレナスが口を開く



「なるほど。それで2つ目の⋯それを探る為のレプリカとの回線に繋がるわけね」



「そうだ。その為には俺達２人じゃできない。アリエッタには俺から話す。だからシンクにその話をお前からもちかけろ」



「ほぇ……?」



キョトンとした顔でいるレナスにアッシュが話す



「シンクは大概お前からの話は断らねぇだろうが…。だからだ……。この話受けるのか?」



アッシュはレナスを見て返答を待つ



レナスはというと……何かブツブツ言っている



「そうかなぁ…?シンク割と誰でも断らないと思うけどな…」



「やるのか、やらねぇのか!?」



なかなか返答のないレナスに若干苛つきながらアッシュは声を荒げた



「や‥やるよ！アッシュ特務師団長の命令だし。あたしはアッシュの補佐官だから！」



「そうか、やるんだな。もう、やらないはなしだぞ」



アッシュは含みのある笑いを浮かべ、話を続ける



「ディストには既に話はつけて参加してもらうことになってる。レプリカと回線を繋ぐ機械は大体、コーラル城に揃ってるからな…。ディストには操作、解析を‥‥‥」



と淡々と話を進めるアッシュ



「‥………な…い」