「思い出した…?だから…死霊使いのしようとしてることは…正しいよ」



「……イオン…」



ルークは縋るような目でイオンを見ると、イオンも切なげにジェイドを見た



「僕からもお願いします。彼女に戦う意志はありません」



イオンは真っ直ぐにジェイドを見つめると深々と頭を下げた



イオン、ルークの2人を順に見ると深く溜め息をつきジェイドは槍を消す



「…⋯⋯⋯まぁ、いいでしょう…」



レナスは驚き、その真っ赤な瞳を見開く



「…どうしたの？死霊使いジェイドらしからぬ発言ね」



「まぁ、イオン様に頭を下げられては、こちらも従うしかありません。‥…立てますか?」



「うん。…ありがと……」


レナスはジェイドが差し出した手を取ると､ゆっくり立ち上がった



「さっ…早くここから離れよう」



ガイは障気が舞うこの場から早く離れるよう促し、一行は早々に離れた



向かう途中、ガイはすぐだと言ったがフーブラス川から国境の砦までの道のりは、セントビナーからフーブラス川へ向かうよりも遠かった



「ガイ～すぐだって言ってたじゃねーか」



「悪い悪い、やっぱり卓上旅行は、本物の旅行とは違うな」



先頭を歩くガイとルークの話し声が、一番後ろを歩いていたレナスまで聞こえるような声で話していた



「レナス、体調は大丈夫ですか?」



「少し辛いけど、なんとか平気｡ありがと、イオン……」



「無理しないで下さいね…?」



「そういうイオンこそね。…それにしてもまさか死霊使い様が、あたしを生かすなんてね～」



レナスはジェイドに対し少し強めの物言いをしてみる



「チャンスだったのにね。寝ている時は気配で分かってしまうし、殺るなら弱ってるさっきが絶好のチャンスだったんじゃなぁい?」



レナスの前を歩くジェイドに向かって挑発するかのように言い放った