あの後、2人は小走りでみんなの元へ向かった



そしてレナスが追いついた時、びしょ濡れになっている姿にジェイドは少し呆れた様子で眼鏡のブリッジに手を添えながら聞いた



「まったく⋯貴方は何をしてたんですか?」



「あはは。転んでた」



「はぁ､しっかりしてください。びしょ濡れじゃないですか‥」



「そのうち乾くし問題ないない！」



「だいたい…」



「小言は聞きたくありませ―ん。ルークかまってー！」



「だぁー！濡れた服でくっつくんじゃねぇー」



レナスはジェイドの小言が始まると、そんなこと気にも留めず、そそくさとルークの元へ行った



レナスが去った後、盛大な溜め息を吐いたジェイド


それをしっかり見ていたガイは茶化すように言った



「レナスにフラれちまったな」



「まぁ、彼女なりの気遣いだと思いますがね」



「ルークに対してのだろ。俺としては助かってるけどな。さっきまでアイツ不貞腐れてたからな…」



「でも、なぜ庇うようなことするのかしら…」



「⋯⋯⋯⋯⋯。レナスも似たような経験をしたからでしょう。ま…私の推測に過ぎませんがね」



ポケットに手を入れたままジェイドは答えた



「似たような経験?どういう事ですか？」



ティアは表情を曇らせ、ジェイドに答えを求めるような目で見る



「ディストの研究を手伝わされ、自由になる時間はほぼないに等しい生活をしてましたからね」



「軟禁…ですか?」



「まぁ、似たようなものです。稀に極わずかな自由時間はありましたが、移動範囲は限られた範囲だけの窮屈な生活をしていました」



「へぇ、研究ね。どうりで譜業とか詳しいわけだ」