4 過去編(1)
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足音が少しずつ自分の元に近づいて来るにつれ、重なる雷の音と雨音がレナスの恐怖心をより一層煽る
耐えきれず頭を抱えて身体を丸くしていると頭上から聞きなれた声がした
「レナス、見つけましたよ」
「!!!?」
急に声をかけられ、驚いてビクッとその小さな身体を震わせてから、レナスはそっと頭上を見上げる
見上げた先にはよく知る人物、ジェイドがレナスを覗き込んでいた
「~~~ジ…ェイ…ド兄………う……ヒック…」
ジェイドの顔を見た途端、急に安心したのか、涙がとめどなく溢れ出て、レナスはその涙を必死に両腕で拭う
ジェイドはレナスが落ち着くまで、しばし待ってから声をかけた
「怖かったんですか?もう大丈夫ですから、陛下のところへ行きましょう」
嗚咽にまみれ、聞き取りにくく、辛うじてレナスからうん、と返事が聞こえた
それを確認したジェイドも優しく笑みを浮かべ、レナスの頭を撫で、手の甲で涙を拭ってやる
部屋を出る間際、レナスにジェイドの手が差し出されると、それをしっかりと握りしめた
ぐすぐすと鼻をすすりながら、歩いているとその先にはピオニーが手を振って待っていた
「ピオ兄!」
「レナス!すごいな。全然どこに隠れてるかわからなかったぞ」
ピオニーはニコニコしながら、レナスの身長に合わせるようにしゃがみ込み、両手を差し出す
それに応えるようにピオニーに駆け寄り、両手の中にすっぽりおさまった
「ん?‥雨のせいでちょいと冷えたか?」
「うん、ちょっとだけ…」
「よし!じゃあ、俺の部屋でブウサギと一緒に遊ぶか?」
「うん!」
「(まったく、これでは仕事をして頂けそうにありませんね。)」
呆れながらもジェイドのその顔にはうっすらと笑みがあった
「陛下、私は一旦途中の仕事を片付けてからまた部屋にうかがいます」
「あぁ、分かった。悪いな、頼んだぞ」
ピオニーはジェイドを見送ると再びレナスに向き直り、ニヤリと悪戯っぽく笑う
「なぁ、レナス。俺と結婚したら俺のブウサギは全部レナスのものになるぞ。なんなら今から予約しておいてもいいぞ」
「本当?うん!ピオ兄となら結婚してあげてもいいよ」
「じゃあ、約束だな。レナスは将来有望だから楽しみにしてるぞ」
「うん?そうなの?」
「おおう!美人になるぞ~」
ピオニーはレナスを抱き抱え、どこか満足そうにし、鼻高々としていた
