ジェイド以外の一行は皆、唖然とさせられた



まさかレナスが六神将の娘だなんて思いもしない



皆の不躾な視線を一斉に浴び、レナスは少しムッとした様子で、一行を見返した



「…な、なによ…?」



「まぁ、当然の反応でしょうね」



ジェイドはやれやれと首を横に振り、肩を竦める



「それで、そちらさんと旦那はどういう関係なんだ？知り合いみたいだが?」



「えぇ。実はディストとレナスは６年前までグランコクマにいたので、同郷といったところです」



ガイが、あーなるほど、それでかぁ、と納得している間にルークが続けてジェイドに聞いた



「なんで今はその六神将とかローレライ教団?とかにいるんだ？」



「ディストがダアトに亡命したんですよ」



「ふん。言っておくけど⋯あたしはね、好きでダアトに行ったわけじゃないの。それに⋯アイツを父親だなんて思っちゃいないわ。1度たりとも、ね」



吐き捨てるように言うとレナスは舌をべーっと出した



「では、グランコクマに戻ってきてはいかがでしょうか？…陛下も心配していましたよ～」



相変わらずの食えない笑みを向け、レナスにどさくさに紛れの提案をした



ジェイドの思いがけない言葉に驚き、一瞬目を見開き、伏せ目がちにしながらくぐもった声で聞く



「⋯⋯⋯⋯。ピオ兄も…?ってことはジェイド兄も心配してくれてるの？」



「いやですね。当たり前じゃないですか～」



不敵な笑みで即答するジェイドにレナスはぼそりと食えない奴だ、とぼやいた



「そういえばさっきから言ってる兄?ってのはなんだい?」



ガイの問いにレナスは数瞬身体が固まり、そして頭を抱えて叫んだ



「あぁぁぁぁ～!もぅ～調子狂う！だから会いたくなかったんだーー！!」



「おや。昔はあんなに懐いていたのに、嫌われてしまったものですね」



「聞こえな～い」



耳を塞いで聞こえないの一点張りのレナス



聞こえないフリで通すつもりだったが、そうもいかず



情報処理が追いつかないレナスに更にガイが追い打ちをかけるように質問をする



「あと六神将のディストを父親と思ってない…ってのはどういうことだい？」



「それに関しては、完全黙秘…もぅ…他はしょうがないから話すよ」