「おい!レナス、今の話本当か?」



「……………そうだよ。ずっとアッシュにも黙ってた」



ディストが去った後、アッシュはレナスに責め立てるように詰め寄り、レナスの肩を掴む



おのずとアッシュの手に力が籠もる



「…怒られるのは覚悟だったし…………」



レナスの顔はさっきとは全く違い、悲しそうに俯いた



「…チッ！…どうせヴァンはお前に重要な事は何も言わなかったんだろ」



「まぁ·····ね………」



アッシュは舌打ちすると身を翻す



「行くぞ」



「怒んないんだ?」



「何にも聞かされてないてめぇに怒ってなんになる」



「でも…完全同位体って知ってたけど、ずっと黙ってた」




「奴の命令だったんだ。今回だけは見逃してやる……ただ、条件付きだ」



進んでいた足を止めるとアッシュはレナスに向き直った



「条件?」



「そうだ。完全同位体について全部教えろ」



目を見開き、一瞬、攻撃的にも見える真っ赤な真紅の瞳が潤んだ



「…うん。わかった」



そう言ってレナスは潤んだ瞳を隠すように目を軽く伏せた