「えぇ!素晴らしいほどに同じ存在ですよ!!まさに完全同位体です!!」



「…………」



レナスは徐々に固まるアッシュの顔を意外にも冷静な視線で眺めていた



「まったく!!ヴァンの奴、人の研究をいつの間に、かすめとったんですかね!それより問題なのはあなたです!!レナス!」



「……………」



ディストに指をさされるレナスには、動揺も焦りもなく、ただ冷静な冷えた視線でディストを見つめていた



「あなたアッシュとあのレプリカが完全同位体だと知っていたはずです！！」



「えぇ、当たり前でしょ。知ってたわ。…だから?」



「だから？ムキー!!」



「だいたいあたしに文句を言うのは筋違いね｡総長が黙ってろって言ったのよ」



レナスのいつもの明るい声はそこにはなく、低く、静かな、らしくない声



「ヴァンがですか!!」



「どういうことだ!?説明しろ、レナス!!」



今まで静かに２人のやり取りを見ていたアッシュまでもがついに口を挟みはじめた



「詳しくはあたしだって知らない｡当時そんなこと興味もなかったし、言われたことをしていただけ」



腕組みをしながら感情を感じさせない…そんな声音でレナスは話し続けた



「だいたいレプリカの研究をヴァンに渡した時点で気付くべきだったんじゃない?………行き着く先があんたと同じになるってさ‥」



「なっ!!」



レナスは追い打ちをかけるかのようにディストに迫った



「ディスト、あなたもネビリム先生のレプリカ研究を進めるうちに完全なものを求めたでしょ?ヴァンだってそれと同じよ。―――あっ、どっかの誰かがいない時にヴァンの奴、あんたの書斎漁ってたよ～」



最後だけ嫌みったらしくレナスはディストに笑ってやった



「きぃー――!!」



ディストはよほど悔しいのか、派手なソファに座りながら足元は地団駄を踏んでいる



「まぁ、終わったものは仕方ありません!!しかしっ!!こちらも好き勝手やらせてもらいますからね――」



ソファは空高く飛び、そこで止まると……



「そういえばアリエッタはヴァンに保護されたようですよ｡では私はまだこの情報の解析をせねばいけないので――あっはははは～」



「うっざ…」