互いに報告を済ませた２人はルーク達一行が戻ってくる前に早々に港を離れる事にした



（ヴァンは何を企んでるんだろ。詳しい詳細については、あたしまで情報おりてこないから知らないのよね）



山道を歩きながらレナスは考えていた



（なんの為のレプリカ?ヴァンはアッシュの身代わりなんて耳障りのいいこと言ってたけど、絶対にそれだけじゃないはず）



考えながらレナスはふと、隣を無言で歩くアッシュを見た



「なんだ?」



視線に気付いたアッシュはレナスの方を見る



特に用があって見ていたわけじゃないだけに、レナスは少し焦ってしまう



言葉を探した



探して出てきた言葉は



「あ…アリエッタ大丈夫かなぁ?」



「大丈夫だろ。ヴァンも導師もいるんだ。ただ…何かしらの処分は免れんだろう」



「そうだよね……。悪いコトしちゃったかな…」



レナスの弱々しい呟きがアッシュの耳にも届く



アッシュは小さく溜め息を吐くと手を上げ、レナスの頭に乗せようと……………



した瞬間――――



「アッシュ～!レナス～!」



聞き覚えのある声が響き渡る



ディストだ



アッシュの上げた手は虚しくも、レナスの頭上………



すぐ真上で止まった



そして虚しくも行き場のなくなった手…



レナスの頭上でワキワキと、アッシュの指がうごめいていた…



「――――くっ！！！」



「あ、ディスト⋯かぁ。ん？アッシュ？」



「だあぁぁｯ!!!」



「?」



すかさず、行き場のなくなった手をアッシュは引っ込めた



「どうしたの?」



「な、なんでもねぇよ!!おいっ!!それでディストどうだったんだ!?」



アッシュが聞くとディストはペラペラと話し出す