天からコレットに光が降り注がれる



すると、彼女の背中からは美しく明るい紫に輝く羽根が現れた



そこにいた皆があまりに美しく、輝くコレットから生えている羽根から、目を背けることが出来ずにいた



羽根の生えたコレットは地面から足が離れ、宙に浮いている



「天使への変化は痛みが伴う。しかしそれも一夜のこと。耐えることだ」



「試練なのですね。わかりました」



「…⋯⋯⋯…」



レナスはコレットの羽根を眺めながら、黙ってレミエルとのやりとりを見守る



程なくして次の封印の先を告げるとレミエルはまた空へ上がり消えてゆく



レミエルは去り際に言った



“最愛の娘コレット”



その思ってもいないレミエルの言葉がレナスをより一層苛立たせた



（レミエルのヤツ、吐き気がするわ……。でも⋯⋯あたしもこの子達を騙してるわけだし、ヤツと同類って言われても仕方ない⋯⋯⋯いや、レミエル以上…か）



ふと、視線を別な方に移すと、コレットが無邪気に羽根を羽ばたかせ、それをロイドとジーニアスが楽しそう見ている姿が映る



そんな光景を見てレナスは更に複雑な感情が込上がってくるようで、無意識に唇をギュッと噛みしめる



「レナス、大丈夫か？」



「はっ?なにが‥‥?」



急に声をかけられたレナスは言われたことがよく分からず、クラトスを半ば睨みつけるようにして見てしまう



「⋯⋯⋯⋯顔色がよくないな」



「‥‥気のせいでしょ」



睨みつける形から一変して、取り繕うような曖昧な笑みを向けた



「それよりも、さぁ早くここから出て休みましょ」



（同情するところはある⋯けど、それだけ）



無意識に握りしめられた手に力がこめられるが、レナス自身はそれに気づいていない



（コレットには悪いとかなんて思って……ない。あたしはあたしの目的を達するだけ）



手に力がこもって握りしめていたせいか、レナスの爪が手に食い込み、僅かに血が滲んでいた