ユアンが暫く考え込むようにしていたが、何か思い出したような顔をした



「思い出した⋯そういえばシルヴィス家と言えば、最近はもう知ってる者も少ないが、聞いたことがある。テセアラのメルトキオにある貴族だな。その家系において、銀の髪を持つ女子は特殊な力を持ち、呪いの力を持つ…とな……｡昔は有名だったが故に他の貴族達から迫害を受けていたようだったがな」



「はい‥ユアンさんの言うとおりです｡あたしはまだ力の使い方をよく知りません。正直、咎唄のことだって詳しくなんて知らない。ここにくれば調べ物もできるし、戦い方も学べる…そう聞いて…」



「なるほどな…（ミトスの奴この娘を使って何を企んでいる…）」



「お願いします！私に戦う術を教えて下さい!」



「「!!!」」



「子供のお遊びに付き合ってられるほど暇ではない」



ユアンはそう言うと、部屋から出て行ってしまった



「……クラトスさんもやっぱり…迷惑ですよね」



「ふぅ…仕方あるまい。行くところがないのだろう…?明日からまず剣術を教えよう。だが復讐などの為ではない。レナス、お前が生きていくための手助けだ。わかったな?」



「あ、ありがとうございます！」



レナスはクラトスの言葉で表情をパァと明るくさせるが、それは一時のこと



また表情は暗く曇ってしまう



「あの…ユアンさんは……やっぱり嫌われてしまいましたよね…親に復讐なんて自分でも愚かだと思う。だけど…やっぱり許せなかった…優しかった家族はおばあ様だけだったから…」



レナスの頬を一粒の涙が伝う



その顔を見ればどれだけ彼女が祖母を慕っていたかわかる



「気に病むことはない。もともとあぁいう奴だ｡今日はゆっくり休むといい」



「……はい。ありがとうございます」