7 過去編(2)
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「あっ!そうだ少しだけおばあ様のところに行ってみよ!予定よりも早めに出てきたし、少しなら大丈夫だよね」
レナスはずっと家に閉じ込められていた為、久々に祖母の温もりが恋しくなり、家まで走っていった
「おばあ様!」
…………………
…………⋯⋯
⋯⋯⋯⋯
レナスが扉を勢いよく開けて呼びかけるといつも出迎えてくれるはずなのに今日はそこにいてくれるはずの人はいない
それどころか部屋は暗く人の気配さえしない
(あれ…いないのかな?でも鍵開いてたし…)
「………は………だ…め…レナス……」
弱々しいかすれた声がして、レナスは自然と声のする方へ足を向けていた
ピチョン⋯⋯
「!!」
水溜まりと思われるところを踏み、なぜ?と疑問に思い足元を見る
見た先は水溜まりなんて可愛いものではなかった
それは辺り一面に海のように広がっていた
でもその海は誰もが知ってる澄んだ青色の海ではなくてとても、とても⋯鮮明な赤色の海
深紅の海がねっとりと一面に広がっていた…
ピチャリ …
「―――え…な、なに?これ…血?……」
レナスは思わず後退り、後退った時に電気のスイッチに身体が当たり、薄暗かった部屋が明るくなる
そこでレナスは信じられない光景を目の当たりにする…
「い…いや、いやぁぁ――――――!!!!」
優しくなんでも教えてくれ、尊敬している祖母が血に濡れ、仰向けに倒れていた
ナイフが胸に突き刺さっていた
他にも足や手、肩、至るところに傷が目立つ
信じ難い光景にレナスは声を上手く出すことができない
「…え…どう、して?…お‥ばあ‥様?…」
突然の出来事にレナスは頭が真っ白で思考が停止してしまう
どうしていいかパニックになって心拍数上がり、レナスから吐かれる呼吸は回数が増えてゆく
「レナス…来ては…ダメ…早く…帰りな…さい…」
そんな祖母の言葉も全く頭に入ってこない
ただ今は目の前にいる祖母の状態を受け入れることができずにいた
呼吸も浅く、細い身体はぐったりとして血の気がない様子の祖母
誰が見てももう手遅れなのは明らかだった…
レナスは震える足でなんとか祖母の近くまでやって来ると床にへたれこむ
「え、何で?や…やだぁ‥なんで‥こんな‥こんな事に‥なんで…血が‥出て⋯止まんないよ…‥‥?何…どうして?…」
血塗れの祖母の胸付近に触れると手が真っ赤に濡れた
現実を受け入れられず、大粒の涙が流れると、それは血の海にポツリポツリと滲んで溶け込んでゆく
そしてその滲んだ視界の中にあるものを見つけてしまう
それは真っ赤に血の付いたネクタイ…
「これ…は…と‥「レナス!!!!」
レナスが言いかけた時、血の気がなくなり、力のでない身体を振り絞り言いかけた言葉をかき消すように遮られた
「ハァ……ハァ…ハァ…言っては駄目!」
「どうして!?だって!だってこれは!」
「レナス!」
「これは父様のもの⋯なんでここにあるの?」
「……レナス…」
「知ってるんだよ…これ⋯オーダーメイドだから1点ものなの‥だから父様以外いるはずないの…」
父のネクタイを握りしめながら、目から流れる涙は止まることを知らぬようにとめどなく流れ落ちている…
「憎んでは駄目…あなたは…優しいままでいて。咎唄 なんて知らない普通の女の子でいて欲しいわ⋯⋯レナス大好きよ⋯私の可愛いレナス」
そして…レナスに優しく微笑みかければ祖母は静かに目を閉じていた
レナスが揺さぶり、何度呼びかけてもその目は決して開くことはなく、固く閉じたままだった
祖母を殺したのは父…だとレナスは確信した
理由は十分すぎるほどあった
父は確かに祖母を疎んじていた
昔、レナスが生まれるずっと前
貴族の間ではシルヴィス家の銀髪の女は呪われてると有名だった
そのせいで息子であるクレイも差別を受け、酷い仕打ちに耐えてきた過去をレナスは祖母から聞いて知っていた
レナスはずっと家に閉じ込められていた為、久々に祖母の温もりが恋しくなり、家まで走っていった
「おばあ様!」
…………………
…………⋯⋯
⋯⋯⋯⋯
レナスが扉を勢いよく開けて呼びかけるといつも出迎えてくれるはずなのに今日はそこにいてくれるはずの人はいない
それどころか部屋は暗く人の気配さえしない
(あれ…いないのかな?でも鍵開いてたし…)
「………は………だ…め…レナス……」
弱々しいかすれた声がして、レナスは自然と声のする方へ足を向けていた
ピチョン⋯⋯
「!!」
水溜まりと思われるところを踏み、なぜ?と疑問に思い足元を見る
見た先は水溜まりなんて可愛いものではなかった
それは辺り一面に海のように広がっていた
でもその海は誰もが知ってる澄んだ青色の海ではなくてとても、とても⋯鮮明な赤色の海
深紅の海がねっとりと一面に広がっていた…
ピチャリ …
「―――え…な、なに?これ…血?……」
レナスは思わず後退り、後退った時に電気のスイッチに身体が当たり、薄暗かった部屋が明るくなる
そこでレナスは信じられない光景を目の当たりにする…
「い…いや、いやぁぁ――――――!!!!」
優しくなんでも教えてくれ、尊敬している祖母が血に濡れ、仰向けに倒れていた
ナイフが胸に突き刺さっていた
他にも足や手、肩、至るところに傷が目立つ
信じ難い光景にレナスは声を上手く出すことができない
「…え…どう、して?…お‥ばあ‥様?…」
突然の出来事にレナスは頭が真っ白で思考が停止してしまう
どうしていいかパニックになって心拍数上がり、レナスから吐かれる呼吸は回数が増えてゆく
「レナス…来ては…ダメ…早く…帰りな…さい…」
そんな祖母の言葉も全く頭に入ってこない
ただ今は目の前にいる祖母の状態を受け入れることができずにいた
呼吸も浅く、細い身体はぐったりとして血の気がない様子の祖母
誰が見てももう手遅れなのは明らかだった…
レナスは震える足でなんとか祖母の近くまでやって来ると床にへたれこむ
「え、何で?や…やだぁ‥なんで‥こんな‥こんな事に‥なんで…血が‥出て⋯止まんないよ…‥‥?何…どうして?…」
血塗れの祖母の胸付近に触れると手が真っ赤に濡れた
現実を受け入れられず、大粒の涙が流れると、それは血の海にポツリポツリと滲んで溶け込んでゆく
そしてその滲んだ視界の中にあるものを見つけてしまう
それは真っ赤に血の付いたネクタイ…
「これ…は…と‥「レナス!!!!」
レナスが言いかけた時、血の気がなくなり、力のでない身体を振り絞り言いかけた言葉をかき消すように遮られた
「ハァ……ハァ…ハァ…言っては駄目!」
「どうして!?だって!だってこれは!」
「レナス!」
「これは父様のもの⋯なんでここにあるの?」
「……レナス…」
「知ってるんだよ…これ⋯オーダーメイドだから1点ものなの‥だから父様以外いるはずないの…」
父のネクタイを握りしめながら、目から流れる涙は止まることを知らぬようにとめどなく流れ落ちている…
「憎んでは駄目…あなたは…優しいままでいて。
そして…レナスに優しく微笑みかければ祖母は静かに目を閉じていた
レナスが揺さぶり、何度呼びかけてもその目は決して開くことはなく、固く閉じたままだった
祖母を殺したのは父…だとレナスは確信した
理由は十分すぎるほどあった
父は確かに祖母を疎んじていた
昔、レナスが生まれるずっと前
貴族の間ではシルヴィス家の銀髪の女は呪われてると有名だった
そのせいで息子であるクレイも差別を受け、酷い仕打ちに耐えてきた過去をレナスは祖母から聞いて知っていた
