7 過去編(2)
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レナスは自宅に着くなり父、母からの罵倒を受けていた
冷たい床に座り込み、帰るなり叩かれた頬は赤く腫れていた
「………⋯⋯」
「ほんと⋯気持ち悪い子!この家から居なくなって清々してたのに⋯。物置にでも閉じこめておいてちょうだい!」
その日からレナスは物置部屋での生活が始まる
食事は1日3食運ばれてきたが、硬いパンにスープの時もあれば葉物だらけのサラダの時もあった
誰とも会話することなく、1人寂しく1日1日を過ごしていた
今までゼロスの家に居た時は毎日大好きな歌を歌っていたが、今は歌えばまた父、母から煩いと打たれる恐怖から歌う事を躊躇ってしまう
こんな惨めで辛い生活が3ヶ月は続いたある日、メルトキオに真っ白な雪が降った
何もない部屋で過ごすレナスには真っ白な雪が少しずつ降り積ってゆく様は毎日の楽しみになっていった
「…⋯⋯⋯⋯⋯⋯ん⋯」
レナスは寒さで目を覚まし、布団の中で自身を抱きしめながらなんとか身体を暖めようとしていた時、珍しくレナスの部屋にノックするような音がした
コンコン… コンコン
何か叩く音がするが、それは扉ではない
音のする方へ行くと窓ガラスから見慣れた紅が垣間見え、レナスにはそれが何者なのかすぐに分かった
「ゼロス!」
「しー!」
「!!」
思わず出した声にハッとしてレナスは手で口を抑えた
「レナス⋯遊ぼうぜ」
「でも…」
「大丈夫だって!ちょっと待っててな」
そういうとゼロスは玄関へ走っていってしまう
レナスはどうしていいのか戸惑っていると珍しく部屋の扉が開き、そこに立っていたのは使用人だった
「ゼロス様がいらっしゃってます。奥様があまり遅くならなければ、外出を許可するとの事です」
「え⋯あ⋯はい」
こうして外出を許可されたレナスは綺麗な服に着せ替えられ、ゼロスの待つ応接室へ案内された
「ゼロス⋯⋯お待たせ⋯」
「レナス!久々に遊びに行こう!母上も待ってるよ」
「うん!」
こうして2人はゼロスの家に行き、久しぶりに遊ぶことになった
ゼロスの邸宅へ向かう途中レナスはゼロスの顔色を窺うように見て言う
「ゼロスは⋯⋯その⋯大丈夫?」
「えっ‥なにが?」
「⋯⋯おじ様のこととか…」
そう、つい先日ゼロスの父は自死した
その件があり、レナスも葬儀に参列していたが、レナスの父や母もおり形式的な挨拶だけで会話は交してはいなかった
「レナス…」
「――っゼロフ…ふぁにひゅるの…」
暗く俯いていたレナスのほっぺたをゼロスは引っ張っぱる
「大丈夫だよ。それよりレナスにそんな顔されるほうが辛いよ」
「ごめん…」
「だーからそんな顔するなってば。あとごめんもなし」
「うん」
ゼロス自身も大変だろうに気遣ってくれる優しさが嬉しくて少しだけ嬉しさで涙が滲む
それから先はあっという間だった
以前のようにゼロスの家で他愛もない話や庭園を駆け回ったりして遊んでいたら既に日が暮れていた
「あ⋯もう、帰らなきゃ…」
「そっか。じゃあ、またなレナス!」
「うん!またね!」
この後、真っ直ぐ帰らなかったことをレナスは後悔することになる
冷たい床に座り込み、帰るなり叩かれた頬は赤く腫れていた
「………⋯⋯」
「ほんと⋯気持ち悪い子!この家から居なくなって清々してたのに⋯。物置にでも閉じこめておいてちょうだい!」
その日からレナスは物置部屋での生活が始まる
食事は1日3食運ばれてきたが、硬いパンにスープの時もあれば葉物だらけのサラダの時もあった
誰とも会話することなく、1人寂しく1日1日を過ごしていた
今までゼロスの家に居た時は毎日大好きな歌を歌っていたが、今は歌えばまた父、母から煩いと打たれる恐怖から歌う事を躊躇ってしまう
こんな惨めで辛い生活が3ヶ月は続いたある日、メルトキオに真っ白な雪が降った
何もない部屋で過ごすレナスには真っ白な雪が少しずつ降り積ってゆく様は毎日の楽しみになっていった
「…⋯⋯⋯⋯⋯⋯ん⋯」
レナスは寒さで目を覚まし、布団の中で自身を抱きしめながらなんとか身体を暖めようとしていた時、珍しくレナスの部屋にノックするような音がした
コンコン… コンコン
何か叩く音がするが、それは扉ではない
音のする方へ行くと窓ガラスから見慣れた紅が垣間見え、レナスにはそれが何者なのかすぐに分かった
「ゼロス!」
「しー!」
「!!」
思わず出した声にハッとしてレナスは手で口を抑えた
「レナス⋯遊ぼうぜ」
「でも…」
「大丈夫だって!ちょっと待っててな」
そういうとゼロスは玄関へ走っていってしまう
レナスはどうしていいのか戸惑っていると珍しく部屋の扉が開き、そこに立っていたのは使用人だった
「ゼロス様がいらっしゃってます。奥様があまり遅くならなければ、外出を許可するとの事です」
「え⋯あ⋯はい」
こうして外出を許可されたレナスは綺麗な服に着せ替えられ、ゼロスの待つ応接室へ案内された
「ゼロス⋯⋯お待たせ⋯」
「レナス!久々に遊びに行こう!母上も待ってるよ」
「うん!」
こうして2人はゼロスの家に行き、久しぶりに遊ぶことになった
ゼロスの邸宅へ向かう途中レナスはゼロスの顔色を窺うように見て言う
「ゼロスは⋯⋯その⋯大丈夫?」
「えっ‥なにが?」
「⋯⋯おじ様のこととか…」
そう、つい先日ゼロスの父は自死した
その件があり、レナスも葬儀に参列していたが、レナスの父や母もおり形式的な挨拶だけで会話は交してはいなかった
「レナス…」
「――っゼロフ…ふぁにひゅるの…」
暗く俯いていたレナスのほっぺたをゼロスは引っ張っぱる
「大丈夫だよ。それよりレナスにそんな顔されるほうが辛いよ」
「ごめん…」
「だーからそんな顔するなってば。あとごめんもなし」
「うん」
ゼロス自身も大変だろうに気遣ってくれる優しさが嬉しくて少しだけ嬉しさで涙が滲む
それから先はあっという間だった
以前のようにゼロスの家で他愛もない話や庭園を駆け回ったりして遊んでいたら既に日が暮れていた
「あ⋯もう、帰らなきゃ…」
「そっか。じゃあ、またなレナス!」
「うん!またね!」
この後、真っ直ぐ帰らなかったことをレナスは後悔することになる
