7 過去編(2)
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セバスチャンはゼロスの私室の前にくると扉の前で立ち止まる
苦々しく顔を顰めるとより一層顔のシワが深く刻まれ、これから呼ぶ2人を心配しているようだった
「ゼロス様、レナス様…お2人にお客様がお見えです…………」
ノックをし、ゼロスらを呼ぶ
ガチャリと開いた扉からはゼロスとその後ろにはレナスもひょっこりと顔を覗かせていた
「客って誰だ?」
「マーテル教会の方々でございます。あと……レナス様…」
「?」
「クレイ伯爵様がお見えになられてます…」
「!!…あっ‥父様が…」
レナスの顔色は一気に青ざめていく
「ちっ!レナスはここで待ってろよ」
「……あ、で、でも」
「いいから!僕が何とかして追い返すから大丈夫!」
ゼロスは急ぎ足で階下へ向かうと玄関で待つマーテル教会の衣服を着た者とレナスの父、クレイ伯爵の姿が見えた
彼らの元に着くなりゼロスはあからさまに不機嫌な態度を見せる
「なんの用だよ?」
マーテル教会の者が1歩前へ出て恭しくお辞儀をすると不敵な笑みを浮かべ言った
「この度、ゼロス様のご婚約者が決定致しましたのでお知らせに上がりました」
「なんだって!そんなの認めるわけないだろ!」
使いの者にくってかかるゼロスにそこで思いもよらぬ事を聞かされることになる
「大丈夫です。ゼロス様もよくご存知ですよ。うちのレオーネです」
「クレイ伯爵!!⋯」
クレイは妖しく笑むと、忌々しそうに言い放つ
「せっかくレオーネと婚約が決まったのに、ゼロス様と御一緒に“アレ”がいては世間体が悪いのですよ」
「おい!アレってなんだよ!!レナスのことかよ!!?あんた親だろ?そんな言い方――「ゼロス!!!もう……いいよ…あたしなんかの為にそこまで言わなくて…あたし、大丈夫だよ」
部屋で待つように言われたレナスだったがやはり心配になり、ついてきてみれば、カッとなってしまったゼロスの姿を見て思わず言葉を遮るように叫んだ
これ以上心配かけたくなかった
「ごめんね、ゼロス⋯ありがとう」
なんとか心配をかけないようにぎこちなく笑うレナス
その姿はとても痛々しく、ゼロスはこれ以上言葉が出てこなくなり、唾をゴクリと飲み込む
そしてなんの騒ぎかと部屋から出て、遠目で様子を見ていたミレーヌもかつての自分を思い出して苦悩に満ちた顔を浮かべる
【血を濃く保つためだけの婚姻】
ミレーヌも昔、結婚を約束していた男性がいた
だが、神託によりマナの血族と認定され、クルシスの管理下に置かれ愛すべき人との恋は叶わぬものとなった
ミレーヌもこの家の使用人達ですら、誰が見ても2人がお互い好いていたのは周知の事実だった
ふと階段を降りてゆくレナスとミレーヌの視線が偶然重なり合う
レナスはミレーヌに笑いかけ、軽くお辞儀をすると、またすぐに向き直り再びクレイ伯爵の元に向かって行く
「…レナス」
苦々しく顔を顰めるとより一層顔のシワが深く刻まれ、これから呼ぶ2人を心配しているようだった
「ゼロス様、レナス様…お2人にお客様がお見えです…………」
ノックをし、ゼロスらを呼ぶ
ガチャリと開いた扉からはゼロスとその後ろにはレナスもひょっこりと顔を覗かせていた
「客って誰だ?」
「マーテル教会の方々でございます。あと……レナス様…」
「?」
「クレイ伯爵様がお見えになられてます…」
「!!…あっ‥父様が…」
レナスの顔色は一気に青ざめていく
「ちっ!レナスはここで待ってろよ」
「……あ、で、でも」
「いいから!僕が何とかして追い返すから大丈夫!」
ゼロスは急ぎ足で階下へ向かうと玄関で待つマーテル教会の衣服を着た者とレナスの父、クレイ伯爵の姿が見えた
彼らの元に着くなりゼロスはあからさまに不機嫌な態度を見せる
「なんの用だよ?」
マーテル教会の者が1歩前へ出て恭しくお辞儀をすると不敵な笑みを浮かべ言った
「この度、ゼロス様のご婚約者が決定致しましたのでお知らせに上がりました」
「なんだって!そんなの認めるわけないだろ!」
使いの者にくってかかるゼロスにそこで思いもよらぬ事を聞かされることになる
「大丈夫です。ゼロス様もよくご存知ですよ。うちのレオーネです」
「クレイ伯爵!!⋯」
クレイは妖しく笑むと、忌々しそうに言い放つ
「せっかくレオーネと婚約が決まったのに、ゼロス様と御一緒に“アレ”がいては世間体が悪いのですよ」
「おい!アレってなんだよ!!レナスのことかよ!!?あんた親だろ?そんな言い方――「ゼロス!!!もう……いいよ…あたしなんかの為にそこまで言わなくて…あたし、大丈夫だよ」
部屋で待つように言われたレナスだったがやはり心配になり、ついてきてみれば、カッとなってしまったゼロスの姿を見て思わず言葉を遮るように叫んだ
これ以上心配かけたくなかった
「ごめんね、ゼロス⋯ありがとう」
なんとか心配をかけないようにぎこちなく笑うレナス
その姿はとても痛々しく、ゼロスはこれ以上言葉が出てこなくなり、唾をゴクリと飲み込む
そしてなんの騒ぎかと部屋から出て、遠目で様子を見ていたミレーヌもかつての自分を思い出して苦悩に満ちた顔を浮かべる
【血を濃く保つためだけの婚姻】
ミレーヌも昔、結婚を約束していた男性がいた
だが、神託によりマナの血族と認定され、クルシスの管理下に置かれ愛すべき人との恋は叶わぬものとなった
ミレーヌもこの家の使用人達ですら、誰が見ても2人がお互い好いていたのは周知の事実だった
ふと階段を降りてゆくレナスとミレーヌの視線が偶然重なり合う
レナスはミレーヌに笑いかけ、軽くお辞儀をすると、またすぐに向き直り再びクレイ伯爵の元に向かって行く
「…レナス」
