……コクリ…コクリ…



レナスはシャワーを浴びた後は大好きなお酒を飲み散らかし、泥酔しソファでうたた寝をしていた



お酒で体が温まり、更に旅の疲れからか急激な眠気に襲われ、ウトウトしていた



だが、そんな心地よい眠気も直ぐに妨害される



「くくくくくく!!………これが…エ………ィア…素晴らしい！」



「!!」



急に隣の部屋から奇妙な笑い声が聞こえてるではないか



そんな異様な声に驚き、押し寄せていた眠気は一気に覚めてしまった



「くぅ～!!なんなの。久々に気持ちよく寝れると思ったのに!」



安眠妨害され、寝る気も起きなくなったレナスは一旦苛立った気分も落ち着かせる為に外の空気を吸いにやってきた



「夜風が気持ちいい…はぁ、一応ウィッグはしてきたけど、人の気配もないし脱いでくれば良かったわ」



お酒で火照った体を程よく夜風が冷やす



「………?あれは……」



ふと、見た先で思ってもない光景が目に入り、レナスは声を漏らした



それは、シルヴァラントベースで出会ったロイドという少年だった



目を細めよくよくその先も見ると捜していた人物、クラトスまでいるではないか



2人の距離はまだ離れており、クラトスはロイドを背にしている



「今はまだ出ない方がいいわね。クラトスが1人になってくれれば好都合なんだけど」



家の壁面に隠れ、こっそり２人の様子を窺うと、案の定、クラトスに気づいたロイドはクラトスへ近づいて行く



このまま会話を交わすのだろうとレナスは思いながら見ていると、なんとクラトスは剣を抜き、ロイドへ剣を突きつけている!ではないか



レナスは驚いて何が起こったのか確認する為、気配を気取られないように少し2人へと近づき、今度は岩陰に隠れる



すると今度は２人の会話がボソボソと聞こえてきた



「うわわっ！」


「ロイド…か。すまない。驚かせてしまったようだな」



「驚いたなんてもんじゃねーよ」



「私の背後には立たない方がいい」



「そーする…。あんた動物好きなのか?」



そんな２人の会話を聞くレナスは思わず呟いた………



「……あたしも気をつけよ…」



ポツリと独り言を漏らしていた



レナスが肝を冷やしている間、ロイドとクラトスの2人はそう長くない会話を交わし、ロイドの方は宿屋の方へと戻ってゆく姿が見えた



ロイドが去ったのを確認すると同時にレナスも漸く動き始める