8 火の封印
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【レナスが旅立ったあとのメルトキオ】
「ゼロス様、そろそろお休みになられた方がよろしいかと」
「あぁ、セバスチャンか⋯」
ゼロスは部屋の窓際に寄りかかり、窓から見える満天の星を眺め、物思いにふけっていた
心配した執事のセバスチャンが普段のらしくない主の姿に思わず声をかけるほどゼロスの調子は良くなさそうだ
長年勤めいてるこの屋敷の事はほぼ把握しているセバスチャンはもちろん主であるゼロスの事もよく知っている
だから、今どうして、ゼロスがこんなにも気だるそうにぼーっとしているのかも心当たりがある
「レナス様と喧嘩でもされましたか?」
だいたいゼロスがこの状態の時はレナスが絡んでいるという事を今までの経験上、セバスチャンは知っていた
「いや⋯別に、そういうわけじゃないけどよ」
案の定、セバスチャンの言葉に曖昧な返事をし、微動だにしなかったゼロスの身体がピクリと動く
「⋯⋯⋯アイツ遠征とか言って1ヶ月も留守にすることギリギリまで黙ってたんだよ」
案の定、セバスチャンの読み通りレナスが絡んでおり、セバスチャンに心を許しているゼロスはぽつりぽつりと話し出す
「1週間とかなら分かるが、1ヶ月も留守にする事なんてずっとなかったのにだぜ」
「レナス様にも色々ご事情がおありでしょう。彼女は歌姫として絶大な人気がありますからね。急な依頼が舞い込んでしまう事もありますよ」
「急なつっても、今のレナスなら仕事は選び放題なはず。断る事だってできただろうに。それに⋯いつからか自分の事は二の次にして⋯せめて俺にくらい言ってくれてもいいだろが」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「悪い、今のは忘れてくれ」
「⋯⋯眠れないようならホットワインをお持ちします」
「ホットワインかー。悪いけど、ホットワインは決まったものしか飲まないんだ。別のもので頼む」
セバスチャンは一旦部屋を出ていくとその数十分後になんと、断られたホットワインを持ってまた部屋に戻ってくる
「おい、セバスチャン?聞いてたか?ホットワインは⋯」
「恐らく気に入って頂けると思いますよ。どうぞ」
セバスチャンの浮かべる笑みがあまりにも不自然で、疑問に思いながらもゼロスは用意されたホットワインを渋々に口に含むと、その動きを止める
決して毒が入っていたとか不味いとかではない
「⋯⋯⋯この味」
「はい。先日レナス様と街で会った時にオススメのレシピを教えて頂いたんです」
「⋯⋯⋯なるほど、な。この味はなかなか店では飲めないんだよな。しばらく夜はこのホットワインを頼んだぜ」
「承知しました」
このホットワインはレナスの家に行くとよく出してくれるもの
ホットワインは好みのワインに色んなスパイスやフルーツをワインに加えて飲む為、独特な風味がする
お店によって味は異なるし、もちろん家ごとにも味は異なってくる
ブレンドするスパイスやフルーツの分量、またベースとなる使うワインの種類によって味は様々
そして不思議なのは分量も使う材料も同じはずなのに、なぜか作り手によって風味が僅かに違ってくる事もある
「⋯⋯セバスチャンが淹れてくれた、このホットワインも美味いけど⋯やっぱりアイツが淹れてくれたやつは別格だな」
「ゼロス様、そろそろお休みになられた方がよろしいかと」
「あぁ、セバスチャンか⋯」
ゼロスは部屋の窓際に寄りかかり、窓から見える満天の星を眺め、物思いにふけっていた
心配した執事のセバスチャンが普段のらしくない主の姿に思わず声をかけるほどゼロスの調子は良くなさそうだ
長年勤めいてるこの屋敷の事はほぼ把握しているセバスチャンはもちろん主であるゼロスの事もよく知っている
だから、今どうして、ゼロスがこんなにも気だるそうにぼーっとしているのかも心当たりがある
「レナス様と喧嘩でもされましたか?」
だいたいゼロスがこの状態の時はレナスが絡んでいるという事を今までの経験上、セバスチャンは知っていた
「いや⋯別に、そういうわけじゃないけどよ」
案の定、セバスチャンの言葉に曖昧な返事をし、微動だにしなかったゼロスの身体がピクリと動く
「⋯⋯⋯アイツ遠征とか言って1ヶ月も留守にすることギリギリまで黙ってたんだよ」
案の定、セバスチャンの読み通りレナスが絡んでおり、セバスチャンに心を許しているゼロスはぽつりぽつりと話し出す
「1週間とかなら分かるが、1ヶ月も留守にする事なんてずっとなかったのにだぜ」
「レナス様にも色々ご事情がおありでしょう。彼女は歌姫として絶大な人気がありますからね。急な依頼が舞い込んでしまう事もありますよ」
「急なつっても、今のレナスなら仕事は選び放題なはず。断る事だってできただろうに。それに⋯いつからか自分の事は二の次にして⋯せめて俺にくらい言ってくれてもいいだろが」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「悪い、今のは忘れてくれ」
「⋯⋯眠れないようならホットワインをお持ちします」
「ホットワインかー。悪いけど、ホットワインは決まったものしか飲まないんだ。別のもので頼む」
セバスチャンは一旦部屋を出ていくとその数十分後になんと、断られたホットワインを持ってまた部屋に戻ってくる
「おい、セバスチャン?聞いてたか?ホットワインは⋯」
「恐らく気に入って頂けると思いますよ。どうぞ」
セバスチャンの浮かべる笑みがあまりにも不自然で、疑問に思いながらもゼロスは用意されたホットワインを渋々に口に含むと、その動きを止める
決して毒が入っていたとか不味いとかではない
「⋯⋯⋯この味」
「はい。先日レナス様と街で会った時にオススメのレシピを教えて頂いたんです」
「⋯⋯⋯なるほど、な。この味はなかなか店では飲めないんだよな。しばらく夜はこのホットワインを頼んだぜ」
「承知しました」
このホットワインはレナスの家に行くとよく出してくれるもの
ホットワインは好みのワインに色んなスパイスやフルーツをワインに加えて飲む為、独特な風味がする
お店によって味は異なるし、もちろん家ごとにも味は異なってくる
ブレンドするスパイスやフルーツの分量、またベースとなる使うワインの種類によって味は様々
そして不思議なのは分量も使う材料も同じはずなのに、なぜか作り手によって風味が僅かに違ってくる事もある
「⋯⋯セバスチャンが淹れてくれた、このホットワインも美味いけど⋯やっぱりアイツが淹れてくれたやつは別格だな」
