「ん…ゼロス…?」



もそもそと起きるとレナスは目を擦りながら身体を起こし、ベットの上で膝を抱える



レナスの隣りにはまだぐっすりと寝息を立てているゼロスがいた



ゼロスの長い髪がベットに散りばめられ、レナスはソッとゼロスの紅い髪を手に取ると含み笑いを浮かべた



「 あ～あ、もう髪ぐちゃぐちゃ⋯」



レナスはぐっすり眠っているゼロスの顔をしばらく見つめたあと、唇に触れるだけの口づけをする



そしてしわくちゃになって床に落ちていたバスタオルを拾いあげると、露わになっているその白い肌に自身の身を包む



まだ朝早く閑散としていて、鳥の鳴き声がよく響き渡っている心地よい朝にレナスは窓の外を眩しそうに目を細めて見つめる



「暫くはこの光景ともお別れね」



うら寂しそうに呟いて、レナスはそのままバスルームに向かい、身に包んでいたバスタオルを床に落とし、そのまま浴室に入ってゆく



静かな室内にはシャワーの音だけが響く



レナスが浴室に入り、間もなくしてシャワーの音でゼロスは目を覚まし、ふと隣にあったはずの柔らかい感触がないことに気づく




「 ⋯⋯⋯レナス？」