2 禁断
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ゼロスは宝石店内で煌びやかな数々のジュエリーを前に考えていた
それは一緒に宝石店に来ているレオーネに似合うものを考えているのではなく、つい先程、店の前を通った女達が話していた内容の事でゼロスは思案していた
「ふん‥生意気なのよね。身の程をわきまえずに口答えばかりするから、あぁいう目にあうんですわ」
「そうですわね。先程の苦痛に歪んだ顔見まして?あの子、いつも澄ました顔して気に入らなかったから清々したわ」
「ふふふ…ほんと。たかが城で飼われてるだけの
店はミラーガラスになっており、女達からはゼロスは見えなかった為、気づかれることはなかった
そんな話を聞いてしまったゼロスはなんともいえない胸騒ぎがし、ジュエリーを選ぶどころではなかった
ゼロスが考え込んでいる間、レオーネは一通り店内のものを見て回り終わりゼロスの元へやってくる
「ゼロスどったの?ねぇ~、このネックレスどっちが似合うかなぁ?」
大きなエメラルドが付いたネックレスとダイヤモンドのネックレスをゼロスの前に出した
「………あぁ~やっぱエメラルド方じゃねぇか?髪と瞳と同じ色とだしな」
「そうかな、そうかな!じゃあ、こっちにしよ~」
鈴の音がした扉を見れば先程の貴族の女達もゼロス達と同じ宝石店に入ってきた
ゼロスに気付いた令嬢達は驚いた顔をするとすぐに図々しくもゼロスに擦り寄る
「まぁ、ゼロス様ではございませんか!このあとお時間はございまして?最近オープンしたレストランがありますのよ!」
女達は黄色い声ではしゃいでいた
ゼロスは慣れたように彼女達の相手をしているが、そこにいつもの軽薄さは感じられなかった
それはゼロスなりの一緒に来ているレオーネへの配慮だったのだが⋯
結局のところ効果はないも同然
「ゼロスに貴方達に割く時間はこれっぽっちもございません~!」
あっかんべえ~と舌を出しながらレオーネはゼロスの腕に抱きつき、自分の所有物だと言わんばかりに主張してる
「ふんっ…それは失礼……。お忙しいようですし私共は失礼いたします」
令嬢達もレオーネに出てこられては都合が悪すぎるのか、そそくさと肝心のジュエリーも見ずに店から出ようとする
その時、すかさずゼロスは令嬢達に聞いた
「ごめんな~ハニー達。ところで、俺様の婚約者のおねー様どこかで見なかった~?」
その言葉を聞いた直後、彼女達の表情が明らかに引き攣った
ほんの一瞬だったが、ゼロスはそれを見逃さなかった
それは確かにレナスとその令嬢達の間で何か生じたと確信するのには充分だった
「ぞ‥存じ上げませんが…。」
「知らないならいいんだ。時間取らせて悪いなハニー達~」
「い、いえ…それでは私達はこれで…」
そそくさと帰ってゆく令嬢たちの背を見送りながら、レオーネはまた小さくあっかんべーをしていた
「ゼロスはあたしのなんだよ~だ!!……あっ‥そういえばゼロスって姉様になんか用事あったの?」
「あぁ、王城にこの前忘れ物してたからよ~。その辺歩いてんなら渡しちまおうと思ってな」
「そっかぁ~。姉様が困っちゃうのはあたしもイヤだな。じゃあ、一緒に探し行く?」
「いや、俺様ちょっくら、その辺見て来るからレオーネちゃんはゆっくりここで悩んでな。好きなの全部買ってやるからよ」
「本当に!?悩む悩む。悩んでる♪」
宝石店にレオーネ残し、ゼロスはレナスを探しに向かった