1 扉の先
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「だいぶお待たせしてしまって⋯申し訳ございません」
レナスは到着すると、小走りで来たせいで乱れていた呼吸をなんとか整え、深々と頭を下げた
「レナスもうよい。レオーネとは久々にゆっくり話せたのだろう?」
「あっ…はい。お気遣いありがとうございました。それより話というのはなんでしょうか…?」
国王陛下は俯き、少し言いづらそうに言葉を発した
「家に戻る気はないのか?」
「⋯⋯⋯⋯」
その話題は触れられたくない…触れてほしくない
レナスが最も嫌う話だった
国王陛下の御前にも関わらず、殺気立ったものをレナスは抑えるのに必死だった
奥歯をギリっと噛みしめてから、極めて冷静を装って話し出す
「⋯⋯⋯戻るつもりはございません。仮に私に戻る気があってもあちらの家は私を迎え入れることはないでしょう⋯」
「しかし…そなたは間違いなく##NAME3##伯爵の娘であり、長女という立場から家を継ぐ資格もあるのだぞ」
「えぇ、そう⋯ですね。けれど…今更戻るつもりはないんです。ましてや、家を継ぐつもりも⋯。それに…今のままで十分なんです。王様や姫様にもとてもよくして頂いてますので」
漸く苛立ちもおさまり、冷静になってきたところで、少し微笑んでみせた
「そうか…無理はするなよ。必要なものがあれば、助力は惜しまない。あと何度も言うが、我ら以外に貴族がいないときは陛下でよい」
「私のことももヒルダで結構です」
「はい、ありがとうございます」
レナスは深々と会釈し謁見の間を後にした