4章「Truth of Emperor」

エーテルの本拠地である集落。
仮面を着けたコート姿の男性エレメントが演説をしている。彼はエーテルを統べる皇帝で「皇帝クリムゾン」と名乗っている。
「2体もエレメントが立て続けに脱退した…これはエーテル始まって以来のゆゆしき事態だ」

「皇帝陛下、あいつらは連れ戻す必要はありますか?」
エメが皇帝クリムゾンに聞くと、クリムゾンは厳かな声で言った。
「…いや、連れ戻す必要はない」
「消息不明のアクアですが…ニンゲンと行動を共にしていると情報がありました」
丸い眼鏡をかけ、朝顔のような模様のネクタイを締めた紫色の男性エレメントが、持っていたスマホでアクアがミサキと共に行動している写真を見せる。

「…彼女はニンゲン嫌いだったはずだよ?どうしてニンゲンと一緒にいるんだい?」
黒い猫耳のようなフードを目深に被った紫色のエレメントが怪訝そうに尋ねる。
「そこまではわかりません。ネットにあった写真ですので…」
「グロリア、これは加工されたものなのか?」
エメがグロリアのスマホに映っている写真について聞く。
「大した加工はないですね…事実だと思われます」
それを聞いて、クリムゾンは言った。
「理由は何でもいい…ニンゲンがこの集落に来るかもしれないということだ。今こそ世界に、我がエーテルの威光を示すのだ!」

演説の後、クリムゾンは水色のリボンで結い上げたような短いツインテールの小柄なエレメントの少女と話をしていた。
「エレキ…いつもなら演説の時に俺を盛り上げるが、どうしたんだ?」
クリムゾンはエレキがいつもと違って元気がなかったので、心配になって声をかけたのだ。エレキはエーテルの所属するエレメントで、アルケーに住む者なら知らぬ者がいないほどの人気アイドルだ。

「皇帝陛下…アクアと、戦わないといけないんですか?」
「俺も無理にお前を戦わせるわけにはいかない…お前はどうするんだ、エレキ?」
クリムゾンの言葉に、エレキは決意したように言った。
「…戦います。エーテルのみんなには傷ついて欲しくないんです!」
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