2章「Journey to the City」
翌朝、ケンゴはディバインアークの本社に重い足取りで出勤した。その横では、リィシェが怒っている。
「昨日は散々だったわよ!ケンゴとのデートも邪魔されたし…!」
「リィシェ、そう言ってもだな…一応スフィアリルの壊滅っていう目的は果たせたし……」
ケンゴの前に双子の男性社員が来た。彼らのパートナーも双子であるようだ。
双子の兄弟の中で、真面目そうな色白で金髪の青年がケンゴに用件を伝えた。
「おはようございます、課長が今日会議をやるので会議室に来るように言ってましたよ」
「わかったよ、先に行っててくれ」
ケンゴの様子を見た、双子のもう片方で温和そうな褐色の肌で銀髪の青年が声をかけた。
「あの…何か嫌なことがあったんですか?」
「そうよ、最悪だったわよ!」
青年の問いに反射的に答えるリィシェ。それに関して、青みがかった薄いグレーのエレメントが補足した。
「デートの邪魔をされたんだね…その気持ち、察するよ」
「困ったことがあったら何でも相談してくださいね」
その時、金髪の青年が双子の兄弟を呼んだ。
「おーい、シロガネー、ギンー、もう行くぞー」
「あ、うん!…ケンゴさん、また後で」
シロガネとギンは走って兄弟と共に会議室へと向かったのを見て、ケンゴとリィシェも会議室へと行った。
「はぁ、あいつ苦手なんだよなー…心を見透かされた気がするんだ」
会議室へ行こうとした時、ケンゴは愚痴をつぶやいた。
ディバインアーク特殊課の関係者専用の会議室にて、課長のヒサメが言う。
「皆さん、集まりましたね…それでは、ディバインアーク特殊課戦略会議を始めます」
ヒサメのマネージャーである、口元を長いマフラーで隠した美形の男性エレメントのグレイがディスプレイの資料をスクリーンに映し出す。そこには、ハナとブレイズ達の姿もあった。
「ケンゴを含めた二人の社員が子供に負けた…という報告があったぞ」
そのエレメントの話を聞きながら、シロガネはため息をつく。
「はぁ…わが社の社員が子供に負けるなんて情けないですよ」
シロガネ本人は小声で言ったはずだが、リィシェには聞こえてしまっていた。
「は?」
「よせ、リィシェ…会議室はケンカする場所じゃないぞ」
怒るリィシェをケンゴが小声でなだめる。その時、シロガネの隣に座っていたコガネという名の金髪の青年が配られていた資料を見ながら言う。
「その子供達に関する資料がこれなんですよね?」
「はい、その子供達は昨日ティエラに到着しました…ケンゴさん、そうですね?」
上司にギロリと睨まれたケンゴは思わず固まる。
「そうですよ、課長…」
キンというギンとは双子の兄弟であるエレメントの青年が口をはさんだ。
「…で、我々はどう動けばいいんですか?」
「彼らはティエラとその周辺にいるはずです…彼らには気をつけてください。彼らに何かされると危険もありますので」
ヒサメの指示に、ギンは陶酔した様子で言った。
「わかりました、課長の仰せのままに…」
「おい、ギン…!」
双子の兄弟の発言にキンはあわてている。
会議室には他にも特殊課の幹部が揃っていた。一人は動きやすい和装スタイルが特徴のおかっぱ頭の女性で、もう一人は赤い髪が目を引くパンクスタイルの青年だ。二人とも、パートナーのエレメントを連れている。
話の内容を聞いて、赤い髪の青年であるグレンが片手を上げて言った。
「そうしたいのはやまやまなんですけど…俺、今日ケツカッチンなので」
「ケツカッチン」と言うのは、若い世代には聞きなじみがない。その言葉を聞いて、ヨシノという女性が質問した。
「あの…ケツカッチンって何ですか?」
その質問をしてきたので、グレンの横に座るフェルノが慣れた様子で答える。
「次の予定がある…という意味だ」
「へぇ、そんな言葉があるんですね…」
ヨシノのパートナーであるサクラが感嘆したように言う。それを聞いたグレイがつぶやいた。
「それ俺が若い時の言葉だぞ…」
グレイは若く見えるが、実はかなりの妙齢なのだろう。
その時、コガネが立ち上がった。
「じゃあ、俺たちがそいつら倒してきますよ!」
「お、おい、コガネ…」
キンが制止しようとしたが、グレンも立ち上がった。
「ほぉ…俺たちをギャフンと言わせる算段か。あんた、バカなんじゃねぇの?」
「お前よりマシだ!」
食ってかかるコガネを押さえつけて制止するシロガネ。
「コガネ、その辺にしておけ…課長、僕も行きます」
その様子を見てヒサメが言った。
「確かにコガネさん一人では万一のトラブルを回避できませんし…わかりました。お願いしますよ、シロガネさん」
「昨日は散々だったわよ!ケンゴとのデートも邪魔されたし…!」
「リィシェ、そう言ってもだな…一応スフィアリルの壊滅っていう目的は果たせたし……」
ケンゴの前に双子の男性社員が来た。彼らのパートナーも双子であるようだ。
双子の兄弟の中で、真面目そうな色白で金髪の青年がケンゴに用件を伝えた。
「おはようございます、課長が今日会議をやるので会議室に来るように言ってましたよ」
「わかったよ、先に行っててくれ」
ケンゴの様子を見た、双子のもう片方で温和そうな褐色の肌で銀髪の青年が声をかけた。
「あの…何か嫌なことがあったんですか?」
「そうよ、最悪だったわよ!」
青年の問いに反射的に答えるリィシェ。それに関して、青みがかった薄いグレーのエレメントが補足した。
「デートの邪魔をされたんだね…その気持ち、察するよ」
「困ったことがあったら何でも相談してくださいね」
その時、金髪の青年が双子の兄弟を呼んだ。
「おーい、シロガネー、ギンー、もう行くぞー」
「あ、うん!…ケンゴさん、また後で」
シロガネとギンは走って兄弟と共に会議室へと向かったのを見て、ケンゴとリィシェも会議室へと行った。
「はぁ、あいつ苦手なんだよなー…心を見透かされた気がするんだ」
会議室へ行こうとした時、ケンゴは愚痴をつぶやいた。
ディバインアーク特殊課の関係者専用の会議室にて、課長のヒサメが言う。
「皆さん、集まりましたね…それでは、ディバインアーク特殊課戦略会議を始めます」
ヒサメのマネージャーである、口元を長いマフラーで隠した美形の男性エレメントのグレイがディスプレイの資料をスクリーンに映し出す。そこには、ハナとブレイズ達の姿もあった。
「ケンゴを含めた二人の社員が子供に負けた…という報告があったぞ」
そのエレメントの話を聞きながら、シロガネはため息をつく。
「はぁ…わが社の社員が子供に負けるなんて情けないですよ」
シロガネ本人は小声で言ったはずだが、リィシェには聞こえてしまっていた。
「は?」
「よせ、リィシェ…会議室はケンカする場所じゃないぞ」
怒るリィシェをケンゴが小声でなだめる。その時、シロガネの隣に座っていたコガネという名の金髪の青年が配られていた資料を見ながら言う。
「その子供達に関する資料がこれなんですよね?」
「はい、その子供達は昨日ティエラに到着しました…ケンゴさん、そうですね?」
上司にギロリと睨まれたケンゴは思わず固まる。
「そうですよ、課長…」
キンというギンとは双子の兄弟であるエレメントの青年が口をはさんだ。
「…で、我々はどう動けばいいんですか?」
「彼らはティエラとその周辺にいるはずです…彼らには気をつけてください。彼らに何かされると危険もありますので」
ヒサメの指示に、ギンは陶酔した様子で言った。
「わかりました、課長の仰せのままに…」
「おい、ギン…!」
双子の兄弟の発言にキンはあわてている。
会議室には他にも特殊課の幹部が揃っていた。一人は動きやすい和装スタイルが特徴のおかっぱ頭の女性で、もう一人は赤い髪が目を引くパンクスタイルの青年だ。二人とも、パートナーのエレメントを連れている。
話の内容を聞いて、赤い髪の青年であるグレンが片手を上げて言った。
「そうしたいのはやまやまなんですけど…俺、今日ケツカッチンなので」
「ケツカッチン」と言うのは、若い世代には聞きなじみがない。その言葉を聞いて、ヨシノという女性が質問した。
「あの…ケツカッチンって何ですか?」
その質問をしてきたので、グレンの横に座るフェルノが慣れた様子で答える。
「次の予定がある…という意味だ」
「へぇ、そんな言葉があるんですね…」
ヨシノのパートナーであるサクラが感嘆したように言う。それを聞いたグレイがつぶやいた。
「それ俺が若い時の言葉だぞ…」
グレイは若く見えるが、実はかなりの妙齢なのだろう。
その時、コガネが立ち上がった。
「じゃあ、俺たちがそいつら倒してきますよ!」
「お、おい、コガネ…」
キンが制止しようとしたが、グレンも立ち上がった。
「ほぉ…俺たちをギャフンと言わせる算段か。あんた、バカなんじゃねぇの?」
「お前よりマシだ!」
食ってかかるコガネを押さえつけて制止するシロガネ。
「コガネ、その辺にしておけ…課長、僕も行きます」
その様子を見てヒサメが言った。
「確かにコガネさん一人では万一のトラブルを回避できませんし…わかりました。お願いしますよ、シロガネさん」