「ミナトのこともある…ワタルとサラは、一度帰宅してくれ。俺はここにいる社員の安全を確保する…グレイもワタルたちについて行ってくれ」
「そうだな、後のことは頼んだぞ…ヒサメ」
ワタルやグレイと共に立ち去る前にサラは言った。
「…あなた達も早く逃げてね」
その後、ワタルとサラ、グレイ、ヒサメはエレベーターで屋上から出た。

ミサキとフウトがハナに聞いた。
「ハナ、アビスってわたし達を待っていたよね？」
「罠という可能性もあるぞ？どうするんだ？」
「…」
ハナは呆然としているのか、黙り込んでいる。
「不安になりますよね…」
「ねぇ、本当に行くの？」
ハルとアースはその様子を見て言う。
「今までの戦いとはケタ違いなくらいにヤバそうだもんな…」
「戸惑うのも無理ないわよ…」
ダイチとアクアも心配になる。
「アビス…姑息なマネをしやがって」
「いろいろ言いたいことがあるわ」
ハナ達の会話には入っていないものの、アビスへの憤りを隠せないイグニスとフレイア。

その時、ブレイズが言った。
「ハナ…オレはハナがいたからここまで来られたんだ！オレ一人じゃ見られない景色だってあった！オレ達が行かないと、アルケーはどうなっちゃうかわかんないんだぞ！」
「…そうだね」
ハナは決意したように言った。
「行こう、みんな！この星のみんなを守るために！」

ヘルシーダとメレシュの間にある通り道に、アストラルタワーがある。
アストラルタワーは神々の手によってアルケーで最初に建てられた建物で、学者や研究者もそこに入っていた。

「ここまで来たんだね…！」
「アストラルタワー…デカいな……！」
ハナとブレイズが言う。フレイアがアストラルタワーの説明をした。
「アストラルタワーは、昔アルケーの神様であるアマテラスが建てた物よ。そこからアルケーに生きる人々を見守ることができるようにね」
「…とにかく、アビスの所に急ぐぞ！危なくなったら逃げるのも一つの手段だ」
イグニスが言うと、ハナ達と共にアストラルタワーに入った。