ヒカグラの繁華街・サクハナにある桜梅屋（おうばいや）にて、ハナ達は食事をしていた。

アースはがっつきながら言った。
「桜梅屋のご飯、おいしいよ！」
「アース、そんなにがっついたらお行儀悪いですよ」
ハルが横でたしなめると、フウトが冷静に言った。
「そういうハルも平らげてるだろ…で、アクアはエーテルにいたんだよな？」
「ええ、そうよ。エーテルのリーダーは皇帝クリムゾンよ」
アクアの何気なく言った言葉に、フレイアは少し驚く。
「え？皇帝クリムゾン…？」
「どうしたんだ、母ちゃん？」
横で息子のブレイズが聞いてきたので、フレイアははっとなる。
「いえ…なんでもないわ」

ダイチは料理を平らげた後に言った。
「何の話してたんだ？」
「…エーテルのことだよ」
フウトは溜め息をつきながら言う。ミサキは少し悲しそうに言った。
「エーテルの集落に行く…ってことは、アクアの大切な人と戦わなきゃいけなくなるんだよね？」
「大丈夫よ、ミサキ…もう覚悟はできてるわ」
アクアが覚悟を決めた顔で言う。ブレイズも言った。
「皇帝クリムゾンって、エーテルのリーダーだよな？オレ、皇帝と会って話がしたいよ！」
「そ、そうね…」
フレイアは冷や汗を流しながら言った。

「少し、落ち着く事は出来ましたか？」
「ああ、ごちそうさん。うまかったよ」
ルイラはダイチと話している。
「それと、どうか無理だけはしないでください。旅は、元気な身体があってこそ…ですから…」
「ありがとう！ボク達、がんばるね！」
アースはルイラの両手を握った。

お会計を済ませた後、桜梅屋の花魁であるコトエが奥から出て来た。
「ああ、いたいた！ちらっと聞いたけどアンタ達、エーテルのアジトに行くんだって？ならこれを持って行きな！」
コトエはそう言うと、ハナにおにぎりを渡した。
「桜梅屋名物の1つのおにぎりだよ。本来は売り物だけど、今回はサービスさ」
「ありがとうございます！」
ハナ達が店を出る時、コトエとルイラが声をかけた。
「アンタ達なら大丈夫だと思うけど、気を引き締めて行くんだよ。 帰って来たらまた顔出しでも来ておくれ！」
「また、お会いできる日を楽しみにしております」