告白




すっぱりとアスランを諦めてさよならするか、このまま流れに任せ形式だけでも手に入れて、毎夜女の元へ通うアスランの姿に目を瞑るのか。

尤もアスランが公言しているのは、あくまでカガリを許婚者としては認められないということだけだ。即ちキラが“望まれて”彼の許婚者に留まっているというものではない。
それを勝手に勘違いして、挙げ句の果てに嫉妬にかられて泣いただなんて、それはそれでかなり恥ずかしい行動だった。



(寄りにもよって、厄介な男を好きになっちゃったもんだ)


結局はその一言に尽きるとキラは思う。
友達付き合いさえろくにしてこなかったのに、恋愛、まして相手はアスラン・ザラだなんて。


どの角度から見ても釣り合いなんか取れるわけもないし、前途なんて真っ暗で。
それでも欲しいと思ったのは、自分。


どんなに恐くても彼の話とやらを聞いておかなければならない。キラにとって痛い話だったとしても、今のうちに聞いておけば、どうしようもなく彼に惹かれる心に歯止めくらいは効くかもしれない。それにこれ以上、曖昧にしておいても却って辛い気がする。

今の心境なら多少のことでも受け入れられそうだ。


そもそも女と会っていたアスランを詰ってやろうとしていたのを思い出した。悲しさが勝ってしまって泣いたのが、予定と違っただけなのだ。


いつの間にかすっかり弱くなっていた自分を、キラは唇を噛んで戒めた。

よし!何でも来いとばかりに気合いを入れ直して、アスランを見る。と、先にキラを見ていたアスランの瞳が、予想以上に深刻な光をたたえていて、心臓が妙な具合に跳ね上がった。
よくないことを言われるに違いないと、途端に怖じけづく自分が腹立たしい。




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