告白




◇◇◇◇


指と指を絡ませあって手を繋ぎ、二人はそれからもしばらくの間、ただ黙って星空を見上げていた。

共に名残惜しかったが、繋いだキラの指先がダウンジャケットの袖に隠れていてさえ、どんどん冷たくなるのを看過出来ず、アスランから車に戻ろうと促した。キラも逆らわず手を引かれて歩き出したものの、高ぶった気持ちが落ち着いてくると猛烈に恥ずかしくなってしまった。
独りで悶々とすれば叫びだしたくなりそうで、慌てて話題を捜す。
「あ!でもアレだよね!!星空の影響、僕っていうか、どっちかっていうとアスランに効果があった感じだよね!」
「…すまん。意味が分からないんだが」
アスランは振り返らなかったが、声が笑っている。何でそんなに余裕なんだとキラは頬を膨らませた。
「だって吃驚するくらい素直だったじゃないか」
アスランが“こういう場所なら素直に聞けるだろう”と言ったことを指しているらしい。
「俺、素直じゃないか?」
「全然違うよ!」
些か大袈裟なくらいの大声で思い切り否定されると流石にめげる。
「いつもポーカーフェイスで何を考えてるのか分からないし、そうでなきゃ顰めっ面か、たまに笑っても揶揄かってるみたいな笑い方だし!だからそんなに嫌われてるのかと思ってたら、今夜は急に―――」
そこでパクンとキラは口を閉じた。恥ずかしくて反らしたはずのさっきの遣り取りに、自分から戻ってしまったと気付いたからだ。そんな分かりやす過ぎるキラに、アスランはとうとう堪え切れずに吹き出した。
「ほら~!意地悪だし!」
「はいはい、悪かったって。じゃあこれからは素直になるよ。キラが可愛いと思ったらちゃんとそう言うから」
「い・いい!言わなくていい!!大体可愛いって、僕男だし!!」
ぎょっとした様子が余りに予想通りで、再びアスランは声を上げて笑った。
そしてふと思いついて付け加えた。
「確かに素直じゃなかったかもしれないな。でもそれは大目に見てくれないか。初恋、だからな」


「――――へ?」




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