告白




「ぼ・僕は男だし素直で可愛い女の子でもなければ、何よりきみの嫌がる“二番目”なんだよ!?何でも“一番”を手にしてきたきみにとってこんな屈辱的なことってなかったんでしょう?現に他の人に知られるのを避けてた感じだったじゃないか!僕のこと、みっともないと思ってたはずだ!」
「なんだ。俺の友人たちに紹介して欲しかったのか?」
「そういうこと言ってんじゃなくって!」
会話が成立しないのももう慣れた。素っ頓狂な返事をしているのが自分の方だという自覚があるわけもなく、アスランは取り敢えず苛立ったキラを宥めにかかる。
「落ち着けよ。確かにお披露目的なものを避けていたのは事実だ。理由も今お前が言った通りのもので間違いない。認めよう。でも人の気持ちは変わるし、もちろん俺も例外じゃない。胸に手を当てて考えてみてくれ。お前だってそうなんじゃないのか?」
「!」
それを指摘されればキラも言葉を飲むしかない。


キラだって冗談ではないと思っていた。
ただ実の父でありながら“なさぬ仲”であるウズミのたっての望みならば、嫌っていた“成金”の息子相手でも我慢しよう、我慢出来ると。
最初はそう思っての承諾だったのだ。


唇を噛み締めて黙したキラにアスランは重ねて言った。
「言っとくがキラを責めてるわけじゃないぞ。寧ろ“貰う”方の俺がもっと早くにハッキリさせとくべきだったと反省してるくらいだ」
「も・貰うって…」
「俺のところへ“嫁いで”くれるんだろ?」

「~~~~っ!!っばかっ!」


そこでそんなに優しい声を出すな、と言いたい。
でも呂律は上手く機能せず、頬に熱が集中するのを止められなかった。


アスランはこういう場所なら素直になれるんじゃないかと言った。確かにその作用は絶大らしく、思い上がるなと鼻で嘲笑ってやりたいのに、どうしたことかまるでそんな気分にならない。それどころか歓喜に心臓が爆発しそうだ。必死で返した悪態も、アスランが笑っているようでは、効果は期待薄である。




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