興味




「―――、くっ!!」

暫く行為に没頭したあと、やがてその瞬間は訪れた。


もうこれ以上ないと思うくらい深い場所に熱い迸りを感じて、連動するかのようにキラの背が硬直し、アスランの腹を濡らす。
「あっ!?ああ―――っ!!」
理性など差し挟む余地もない、言ってみれば意志とは全く無関係に否応なく身体だけを高められて達するなど、勿論キラには初めてのことだった。
それなのにその間もアスランは待ってはくれず、何度も腰を打ち付け、後から後からキラを苛み続ける。
「や‥・だっぁんんっ」
全てを注ぎ込もうとするかのようなアスランの動きに、キラはあっけなく再ひ高められ、今しがた達したばかりの筈の身体を再びガクガクと痙攣させた。


連続して達した引き絞るようなキラの内部に、アスランの悦楽もとどまるところを知らない。とうとう最後の一滴まで放ち終えたアスランは、やっと動きを止め、ゆっくりと体を弛緩させた。
抱え上げていたキラの足を放し、体を僅かに横にずらすと、ドサリとキラの隣に仰向けに横たわる。

そのまま吐精後の倦怠感を心地よく味わいながら、酷く乱れてしまった息が整うのを待った。
(ヤバいな…。癖になりそうだ)
木目の天井を眺めながら、戻り始めた思考の隅で、ぼんやりと物騒な考えが過る。


どの女を抱いた時も、アスランは常にどこか冷静だった。行為そのものにしても、まぁこんなものかという、通過儀礼のような認識ですらあった。そんなSexでも男である以上、射精に伴う快楽は得ることが出来ていたのだ。
(つまらん時間を費やしたな)
過去のそれらがまるで価値のないものに思えた。射精するだけの味気ないものだと。
ただただ煩いだけの甲高い声をあげて貪ってくる女に、ことが終わってしまえば、急速に白けていく始末だったのも頷ける。同じ女を二度三度と抱くことをしなかったのは、相手が誰でも同じ快楽しか得られなかったからだ。


そんな自分が、まさか相手を全部奪い尽くし、剰え他の誰にも渡せないと思う日が来るとは。




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