興味




やがて自らの吐き出した液体の滑りを借りて、アスランの指が体内へ侵入を開始した時には、もうガチガチに緊張してしまっていた。
「キラ、力抜けって」
「そ――む・りっ」
「こんな力入れてちゃ、お前の中に行けないから。それとも、俺が欲しくない?」
最後の言葉に、キラが短く息を詰める。
「…きみ、意地悪だ!」
「そうかもな」
「あんっ!」
もっと時間をかけてやりたいとも思うが、アスランとてそう悠長に構えている余裕はない。無理にても力を抜かせようと、すっかり萎えてしまっていたキラのものを再び刺激する。
「あ!も・やだっ‥て、ひゃうっ!!」
目論みは成功し、キラが前への快楽を追いかけて緩んだ一瞬のタイミングを見逃さず、二本揃えた指を奥深くまで挿入した。
「あ…っあっ」
「痛いか?」
切れ切れに上がる声からは、すっかり快楽の余韻が消えている。
「い・たくは…ない、けどっ」
「けど?」
咥えた指を押し出そうと、キラのそこに力が入る。それはアスランを拒むというよりも、ただ未知の感触への戦慄からくるものだった。
痛みはないが気持ちのよいものではないのが正直なところなのだろう。
「もう少し我慢しろよ」
アスランの指が拓かせるためだけではない、慎重な動きに変わった。ゆっくりと馴染ませながら、何かを探るような動きを繰り返し、どんどん奥へと挿ってくる。
キラはといえば少しずつとはいえ確実に拓かれる感覚に、眉間に皺を寄せてどうにか耐えている状態だった。

そしてアスランが中でグルリと指を回した時。それは突然襲ってきた。


「―――ぁあっ!?」
閉じていた瞳を見開き、身体がビクンと大きく跳ねた。全身を慄立たせながら駆け抜けたそれが何だったのか、俄かには分からない程の衝撃だった。




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