興味




「キラ。こっち向いて」
「む!無理っ」
「どうして」
そんな直接的な質問にキラが答えられるはずがないと察しているくせに、どうしていけしゃあしゃあと訊けるのだろうか。とてもではないが正気の沙汰とは思えない。
「あっ!嫌だ!!」
しかしキラの返事は、アスランの予想外の行動により、短い悲鳴に変わってしまった。
一杯いっぱいのキラがグルグルと考えている隙に、捕らえられた膝を大きく左右に割られたのだ。

「え!?ちょっ・ア・アスランっ!!」
快楽の兆しを見せているそれを、優しく握り込まれて、声が裏返った。続け様にゆっくりと上下に擦られて、制止を求めて咄嗟にアスランの手を掴む。

その必死さがそれまでと違っているようで、アスランは一旦行為を中断してキラの顔を覗き込んだ。
「――――キラ?」
「み・見ないで!」
そう叫んだキラの唇が震えている。
ここまで来て逃がす気は毛頭ないアスランだったが、行為自体が初めてのキラを怖がらせるのだけは避けたかった。可能な限りはキラのペースに合わせてやるつもりでいた。
だからアスランの手を掴んだ反対の手で目元を隠してしまっているキラの震える唇に、宥めるようなキスを落とした。
「恥ずかしがることはないから」
この距離だ。返事はないが、聞こえてないはずはない。アスランは掴まれていたキラの手をそっと放させ、逆に掴んで脇へどけると、甘い声で掻き口説いた。
「全部、任せて?」


しかし行為を再開しようとすると、今度こそキラは身体を捩って膝を閉じてしまったのだ。
「キラ…」
「だっ!だって!!」
とうとう呆れたように息を吐いたアスランに、キラは自由になった両腕を今度は顔の前で交差させて、絞り出すようなか細い声で拒絶の理由を告白した。




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