興味




不審げに眉をひそめたアスランに改めて訊かれるまでもなく、キラはやたらとハイテンションでペラペラとまくし立てた。
「だからっ!ア・アスランはそれこそ百戦錬磨でしょ!?僕なんか相手にしてもきっとつまんないと思うから!」


「……なんだ、そんなことか」

「ほえ?――うわ!」


素早いが、決して手荒ではない動きで、キラの身体はあっという間に仰向けに押し倒されていた。天井の木目を見たと思ったのはほんの一瞬で、すぐさま視界一杯が覆い被さってきたアスランで満たされる。

「つまらなくなんかあるものか」
「え?どういう意味?」
この状況で未だ僅かに首を捻るキラは、本当に同じ年の男かと疑いたくなるほど、アスランの色んな場所を刺激した。

今まで相手にしてきた慣れたメスブタの、元々なかった価値が更に彼方へと吹き飛んだ。あんな女どもは容姿という蜜に引き寄せられてくる、毒々しいだけの蝶でしかなかった。それとも金に群がる意地汚いハイエナか。


アスランは高まる鼓動を心地よく実感しながら、口角を上げただけの気障な笑みを浮かべて、キラの疑問への明確な回答をくれた。
「誰も知らない身体なら、開発のし甲斐があって逆に楽しめるってことだ」
「か・いはつって……んーーっ!」
噛み付くようなキスにも、最初こそ嫌々と逃れような仕草をするものの、既に何度か交わした時に教えた通り応え始める。無意識だろうが、覚えのいい優秀な生徒に喉の奥で笑ったアスランは、キラの服を乱しつつキスを深いものへと変えていった。


身体を這うアスランの手が意志を持って胸の飾りに辿り着いた時、キラの全身がビクンと一際大きく反応し、衝撃で唇が離れた。必死で酸素を取り込みながらも、切れ切れに無駄な抵抗にしかならないことを訴える。
「ね、ねえ!誰か…来たら――」
「余計な心配、しなくていいから。集中しろ」
頼んだ料理は終わっている。後はこちらから呼ばない限りは誰も来ない。そのくらいここの連中ならちゃんと心得ているのだ。




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