混乱
・
「っ!!誰だ!?お前は!?」
男の口調がガラリと激しいものに変わった。が、勿論そのくらいの恫喝で動じるアスランではない。
「虫ケラにお前呼ばわりされる謂われはないが、いいだろう、答えてやる。俺はこれの許婚者だ」
「!!」
男にギロリと睨まれて、キラは反射的にアスランの背後へと身を隠した。それをアスランがどう思うかなど、気にする余裕はなかった。
「分かったらさっさと消えろ。これは俺のものだ」
「ちょっと、きみ!」
即座に背後から上がった抗議に、アスランから小さい溜息が零れた。
「いつ僕がきみのものになったのさ!」
ここでしおらしく庇われておけば穏便に済んだかもしれないものを、と舌打ちする。
「俺のものだろう?許婚者なんだから」
「そうだけど…、でもそうじゃない!」
「それに言ったはずだぞ。放置してはおけないと」
「だから――」
「煩い!!」
男がアスランの手を振り払い、意外にも素早い動きで、背後のキラへ回り込もうとした。更に身体を引いて逃げるキラと、立ち塞がるように割り込んだアスランに、また男の目の色が変わった。
「キラ、どうして逃げるの…?」
今度は頼りなく哀しげな声だった。
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「っ!!誰だ!?お前は!?」
男の口調がガラリと激しいものに変わった。が、勿論そのくらいの恫喝で動じるアスランではない。
「虫ケラにお前呼ばわりされる謂われはないが、いいだろう、答えてやる。俺はこれの許婚者だ」
「!!」
男にギロリと睨まれて、キラは反射的にアスランの背後へと身を隠した。それをアスランがどう思うかなど、気にする余裕はなかった。
「分かったらさっさと消えろ。これは俺のものだ」
「ちょっと、きみ!」
即座に背後から上がった抗議に、アスランから小さい溜息が零れた。
「いつ僕がきみのものになったのさ!」
ここでしおらしく庇われておけば穏便に済んだかもしれないものを、と舌打ちする。
「俺のものだろう?許婚者なんだから」
「そうだけど…、でもそうじゃない!」
「それに言ったはずだぞ。放置してはおけないと」
「だから――」
「煩い!!」
男がアスランの手を振り払い、意外にも素早い動きで、背後のキラへ回り込もうとした。更に身体を引いて逃げるキラと、立ち塞がるように割り込んだアスランに、また男の目の色が変わった。
「キラ、どうして逃げるの…?」
今度は頼りなく哀しげな声だった。
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