真昼の星




◇◇◇◇


(あ、しまった)
今までの遣り取りを脳裏に浮かべていて、キラはあることを思い出した。

「何でお風呂なのか聞くの忘れちゃった…」
アスランはやたらと風呂風呂と連呼していた気がする。途中までは後で尋いてやろうと思っていたのに、打ち明け話など聞いてしまったせいで、すっかり忘れてしまっていた。


「ま、いいか」
その言葉には“どうでもいい”の“いい”ではなくて、尋くチャンスならこれから幾らでもあるだろうから“今はいい”という微妙なニュアンスの違いがあった。
「いつか…今日は僕も誕生日だって言える日がくるといいな」


今日はまだ勇気が必要だったけれど、その頃にはせめて自然に肩を並べて歩けるようになっていればいい。
それが叶わない夢だということも分かっているが、望むくらいは許されてもいい筈だ。

何せバースデーなのだから。




余談だが、後にこれを尋ねたキラは、アスランの「風呂、好きだから」という余りにも単純過ぎる理由に、呆れ果てることとなる。





20090612



†††後書き†††


風呂をオチにしてしまったので、シリアスだったのかギャグだったのか分からなくなっちゃいました(泣)




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