中学生
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なぜ並盛中なのか。僕は普通に疑問だった。並盛は良いところだ。並盛中は僕のものだ。ただ、あの双子はお嬢様育ちだから日本で中学に通うにしても私立で設備の整ったところに入るものだと思っていた。どうして並中なのか尋ねると、「パパが恭弥くんがいるならいいよって言ってくれた」。意味がわかるように喋ってくれ。
双子の転入に際して、色々と要望を出された。クラスは2人まとめて2年A組に、2人のSPの校内の出入りの自由などだ。厄介料がわりにと双子の父親が小遣いをくれたので叶えてやることにした。不服だったが、金額が大きかったのだ。
それに並盛中の制服を着た双子は、悪くない。
「えー、本日から転入生が2人、A組に入る。」
また転校生か〜。今度は獄寺くんみたいなマフィア関係者じゃありませんように。どんな子なのか期待してざわざわする教室でオレは思った。もう!マフィア関係者は勘弁してくれと。
「では、入ってください」
入ってください!?生徒に対してはやけに下手にでてないかな先生!その先生は教室の扉を恭しく開けて頭を下げた。何か明らかに怖がっている。え、ちょっと、怖い転校生とか嫌だよ。
「「はーい」」
入ってきたのはかわいい女の子が2人だった。教室が色めき立つ。でもオレは美少女でも美女でも危険な人間がいると知っている。
「紫雲 レイラさんと紫雲 マイカさんだ。皆、失礼のないように」
だから普通の生徒に対する態度じゃないってば先生。
「紫雲 レイラです。マイカとは双子でわたしが姉です。7才からアメリカにいたから日本の学校は初めて。色々教えてくれたら嬉しいな。みんなよろしくね♡」
双子っておんなじクラスでいいんだっけ?と思いながらみんなと一緒に拍手をした。京子ちゃんとは違うタイプの美少女だ。華のあるってこういうことかな。笑顔に男子も女子もハートを撃ち抜かれたようだ。オレはもちろん京子ちゃん一筋。
「紫雲 マイカです。並盛に縁があってこの中学に来ることになりました。
レイラ共々よろしくお願いします。」
もう1人の転校生は恥ずかしそうに笑ってお辞儀をした。ふわっとした感じでかわいい子だな。双子にしては2人とも似ていない。
朝礼のあと、2人は女子達に質問ぜめにされていた。転校生が来た時の恒例行事だが、帰国子女の美少女が2人だ。隣のクラスのやつらも見に来ている。男子の間では早速どっち派かという会話がなされていた。
「かわいい女子が2人も!ラッキーだな」
「山本まで…オレはマフィア関係者じゃなければいいよ…」
「なんだよ、テンション低いな」
「わかってねえな!これだから野球バカは!10代目は奥ゆかしいんだよ!!」
「はは…」
獄寺くん声大きいよ。
「にしても紫雲…なんか聞いたことあるような…」
「えっまさか!?」
「いや、マフィアじゃないっす!そんなファミリー名聞いたことありません」
「そっかあ、よかった」
この時オレはマフィア関係者じゃなくても面倒なことに変わりがないことを知らなかった。
「へぇ〜ここが、応接室かぁ」
「そうだよ、普段は僕と風紀委員の許されたやつしか入れない」
レイラとマイカに話があったのでついでに応接室に案内した。本来なら入れたくない。この双子は絶対僕の城を荒らす。しかし、風紀委員長として放って置くわけにはいかない話がある。
「風紀委員?風紀委員会って何するの?」
「学校の風紀を取り締まるんだよ。君たちを呼んだのはその話だ」
風紀委員とはなんぞやという顔をして首を傾げたレイラの髪を耳の上に持ち上げる。
「ピアス。校則違反だよ。マイカのイヤリングも」
「ええ?」
レイラが意味がわからないという顔で眉を寄せる。マイカは両手でパッと耳を抑えた。
「あと、化粧も禁止」
「してないもん!!」
「そう?」
「自前のかわいさだよ!」
自分で言うな。君たちが世間的に容姿の良い方であるのは知ってるけど。レイラは特に男にちやほやされて感覚がおかしい。
「化粧はしてないならいいけど。アクセサリー類は外してきなよ。じゃないといくら君たちでも咬み殺す」
「…ピアス、発信機なのに?」
「イヤリングも、パパが私達のために作ってくれた特注なのに?」
…予想外の回答だ。ここぞとばかりにしゅんとしてかわいい顔を作るレイラ。マイカも畳み掛けてくる。この双子は僕にこういうのが通じないといつになったら学ぶのか。誘拐対策の発信機が小さな宝石のわけないだろ。
とにかく外してこいと言い聞かせて帰らせた。その夜双子の父親から、別の対策を考えるまで大目に見てやってくれと小遣いを貰った。本当に発信機だったようだ。しばらく活動費には困らない。