生徒会副会長
並盛中学生徒委員会
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
雲雀との出会いはいつだっただろうか。たぶん幼稚舎だ。でもお互いがお互いをはっきり認識したのは雲雀がうちの道場に殴り込みに来た時。雲雀はいきなりやってきて「群れてるやつは咬み殺す」とか言って道場に通っていた中学生達をボコボコにした。今思い出してもなんて迷惑なやつだ。
私はその仕返しに雲雀をボコボコにした。当時は私の方がかなり背も高かったし力も強かったのだ。親の仇のように雲雀は私に向かってきた。打っても打っても倒れない雲雀にうんざりしかけた頃、
「こら!やめろ!」
戻ってきた私の父ゲンコツを入れられた。超痛かった。
「何やってんだお前ら!」
「いっつぅー…」
「っ……」
「坊主お前誰だ!?…ゲッ!!雲雀んとこの坊ちゃんじゃねえか!!」
雲雀が雲雀だと気づいた父は慌てていたが私はどこの坊ちゃんだろうが知るか!と再度殴りかかった。父に首根っこ掴まれて手の届かない位置に持ち上げられてしまった。
そのあとよくよく話を聞くと先に喧嘩の原因を作ったのは中学生達だったらしく、父の雷が落ちた。その日は父が雲雀を雲雀邸に送っていった。
その後、雲雀は暇さえあれば道場にやってきて私と喧嘩をした。父の目の届かない時間帯にだ。まあすぐ父にはバレたが、大きな怪我をさせないと言う条件のもと私達の喧嘩は続いた。幼い頃は身長の高い私のが優勢だった。
雲雀が紫雲のお嬢様たちと仲が良いところも気に食わなかった私は売られた喧嘩はほぼ全て買っていた。佐崎家は代々紫雲に支えてきた家で、本家のお嬢様たちなんてほぼ雲の上の存在。そんな方たちとこんな喧嘩しか興味なさそうなやつが仲がいいなんて信じがたかった。要は嫉妬だったのだが。
それが続いたのは小学生まで。
雲雀とは小6くらいまでちょっとしたことで殴り合いの喧嘩に発展していたんだけど、私が紫雲の本家筋のお嬢様に仕えることが決まった途端ケンカはしなくなった。立場とか利権とか色々あるのだ。いくら自分ルールで動く雲雀とはいえ最低限の常識は守る。それに、今喧嘩するとお互いの保護者から2、3時間のお説教が付いてくる。いくら雲雀でもそれは応えるらしかった。
「(今戦ったら、どっちが勝つかな…)」
雲雀がボンゴレという巨大マフィアに関わり、戦闘経験を積んでいるという話は聞いている。マフィア絡みのことがあり余計に手が出せないというのもあるが。小6の時はほぼ互角だったけど…強く、なったんだろうな。私は基本素手だし、学校に武器は持ってこないからトンファーを持った雲雀と戦うのはキツいかも。でもいつかまた成長した雲雀と喧嘩してみたい。
「ただいま」
「おう、優羅。お帰り」
生徒会の仕事をさばいて帰宅したら19時くらいだった。お腹すいた。
「旦那様から連絡が来てたぞ」
「えっなになに」
旦那様、紫雲の当主で私の仕えるお嬢様のお父上だ。
「並中にきた転校生…シモンファミリーっていう弱小マフィアなんだってよ」
「は?またマフィア?」
「規模が小さすぎて詳細不明なファミリーだそうだ。紫雲としては危害を加えられない限り静観する。お前喧嘩売ったりすんなよ」
父はそう言って旦那様から届いた資料を投げてよこした。
ありえないんだけど、明日こそ鈴木さんに文句言いに行こうと思ってたのに。
並中、マフィア多すぎじゃない?
6/6ページ