平和な10年後
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今度はそっちかよ……。
「バスルームにルージュの伝言」
「ええ、ベタすぎると思いませんか」
「お前こういうの知ってるんだ。いまどきそんなベタでもないと思うけどな」
「それは君がモテないからでは。沢田綱吉」
「そんなこというと手伝わないぞ」
先日ヒバリの妻が家出してきたのは記憶に新しいが、今回は骸の恋人?が家出したらしい。『探さないで』と伝言を残して。ツナは憮然とした態度の骸を見て彼女を捜索する気が既に失せていた。骸はグローブをつけた手で口紅を弄んでいる。
「別に手伝っていただかなくても構いません。ここに来ているのではないかと思って確認しにきただけですので」
「あっそう」
ツナは骸の手にある口紅が彼女のものだと気づいた。おそらくハイブランドのものだ。こだわりの強そうなパッケージは彼女の趣味というより、骸自身が凝って贈ったもののように見えた。
「ケンカの原因はなんなんだよ」
「喧嘩なんてしてませんよ」
「じゃあなんで」
「それは君には関係ないことだ」
ヒバリの妻と違って骸の恋人は大分常識的である、というのがツナの認識だった。であれば原因は骸だとツナは骸を問い詰める。しかし、骸は口紅を懐にしまい込むと立ち上がった。部屋を後にしようとする。
「おい、お前…」
「ここに彼女が居ないなら君たちに用はない。僕は自分で見つけてみせますよ。どこかの小鳥と違ってね」
そう言って骸はボンゴレ邸を去って行った。ツナの胸の内に心配だけ残して。
「見つけましたよ」
「探さないで、って書いてきたの見なかったの」
「知りません。そんなもの」
数時間後、田舎の駅のベンチで膝を抱える彼女を骸は無事に発見した。隣に座って彼女の好きなミルクティーを差し出す。涙を湛えたまま一口飲んだ彼女は骸の肩に顔を埋めた。骸はその背をそっと撫でた。
「帰りましょう」
「っ……うん」
「いや、見つかったんなら連絡よこせよ!!」
ボンゴレ邸ではボスの叫び声がこだまする。
2020.06.22.
#復活夢版深夜の真剣創作60分一本勝負
「口紅」霧の人
こないだ家出したヒバリの嫁の世界線
ジ○リは多分彼女から教えてもらった
「バスルームにルージュの伝言」
「ええ、ベタすぎると思いませんか」
「お前こういうの知ってるんだ。いまどきそんなベタでもないと思うけどな」
「それは君がモテないからでは。沢田綱吉」
「そんなこというと手伝わないぞ」
先日ヒバリの妻が家出してきたのは記憶に新しいが、今回は骸の恋人?が家出したらしい。『探さないで』と伝言を残して。ツナは憮然とした態度の骸を見て彼女を捜索する気が既に失せていた。骸はグローブをつけた手で口紅を弄んでいる。
「別に手伝っていただかなくても構いません。ここに来ているのではないかと思って確認しにきただけですので」
「あっそう」
ツナは骸の手にある口紅が彼女のものだと気づいた。おそらくハイブランドのものだ。こだわりの強そうなパッケージは彼女の趣味というより、骸自身が凝って贈ったもののように見えた。
「ケンカの原因はなんなんだよ」
「喧嘩なんてしてませんよ」
「じゃあなんで」
「それは君には関係ないことだ」
ヒバリの妻と違って骸の恋人は大分常識的である、というのがツナの認識だった。であれば原因は骸だとツナは骸を問い詰める。しかし、骸は口紅を懐にしまい込むと立ち上がった。部屋を後にしようとする。
「おい、お前…」
「ここに彼女が居ないなら君たちに用はない。僕は自分で見つけてみせますよ。どこかの小鳥と違ってね」
そう言って骸はボンゴレ邸を去って行った。ツナの胸の内に心配だけ残して。
「見つけましたよ」
「探さないで、って書いてきたの見なかったの」
「知りません。そんなもの」
数時間後、田舎の駅のベンチで膝を抱える彼女を骸は無事に発見した。隣に座って彼女の好きなミルクティーを差し出す。涙を湛えたまま一口飲んだ彼女は骸の肩に顔を埋めた。骸はその背をそっと撫でた。
「帰りましょう」
「っ……うん」
「いや、見つかったんなら連絡よこせよ!!」
ボンゴレ邸ではボスの叫び声がこだまする。
2020.06.22.
#復活夢版深夜の真剣創作60分一本勝負
「口紅」霧の人
こないだ家出したヒバリの嫁の世界線
ジ○リは多分彼女から教えてもらった
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