中学生
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沢田くんがおーいててとベッドに腰掛けた。みんなが落ち着いたのを見てレイラと一緒に窓際に向かった。2人で端と端からカーテンを閉めていく。「え?2人ともどうしたの?」沢田くんたちが私たちの行動を不思議そうな顔で見ている。カーテンを閉めたレイラと沢田くんたちに向き直った。
「お話、しましょ」
カーテンが閉まったその瞬間から病室の空気が変わった。オレたちに向き直ったレイラとマイカをポカンと見つめる。いつもと同じ柔らかい笑みを浮かべているのに雰囲気が違う。これは、きっと。
「わたし達が紫雲という企業のどういう立ち位置にいるかはもう知ってるよね?ボンゴレファミリー10代目候補の 沢田綱吉 くん」
大企業の娘としての彼女たちだ。
「あ…えっと。はい。って、ええええー!!?ボンゴレのこと知ってたの!?」
「知ってたよ、気づいてなかったの?」
レイラがあれ?と首を傾げた。獄寺くんが警戒した目を彼女に向ける。
「気付かないよ!隠してたのに!ていうかオレはマフィアなんかにはならないんだって!!」
「まあ、転入してから沢田くんを見てそんなことだろうとは思ってたんだけど。マフィアのボスの後継としての自覚、全然無さそうだしね」
マイカがいつもと変わらない笑顔で言い放った。声も表情も優しいのに言ってることは全然優しくない。
「
「びっくりしちゃった」
「ね」
「おい、お前ら…10代目を」
獄寺くんが怒りでプルプル震え始めた。バカにすんじゃねぇ…!と続けようとした彼を山本がまぁまぁと押さえている。
「私たちね、転入先を並中にした理由のひとつがボンゴレ10代目候補が同い年でここに通ってるって聞いたからなの」
「沢田くんがマフィアになるかどうかはとりあえず置いておいて」
レイラとマイカがゆっくりとオレに歩み寄る。レイラがオレに右手を差し出した。
「仲良くしましょう。クラスメイトとして」
◇◇◇
「じゃあまた来るね」「またね」
「お見舞い来てくれてありがとう。またね!」
「またな!」
彼らの病室を出て恭弥くんのところへ戻る。握手したら、「あ、ツナでいいよ。みんなそう呼ぶし」と言われて力が抜けた。本当全然ボスって感じもマフィアって感じもしない。学生の時のディーノみたい。
「恭弥くんまだ起きないね」
「うん。暇だしお腹すいたし、何か食べに出よっか」
「そうしよう!」
「ユリー!車お願い」
寝顔の恭弥くんに行ってくるねと声をかけ、わたし達は軽食をとりに向かった。
「メロン美味しい」「ちょっとちょうだい」「そっちも」
「お嬢様方、お食事中失礼致します」
喫茶店でパフェをつついているときに病院から連絡が入った。
「恭弥坊ちゃんが目を覚まされました」
誰もいない時に目を覚ますなんて、なんて間の悪い恭弥くんなんでしょう。
わたし達はパフェを食べてお茶を飲んでから病院へと戻った。
◇◇◇
「簡単に主導権握られてんじゃねーぞバカツナ!」
「イテッ!何するんだよ!リボーン!!」
教え子の頭の緩さにイラつく。もう一発入れてやろーか。
「仲良くしてくれるってんだからいいだろ!?」
「どうせ仲良くするならボンゴレと紫雲の後継としてが理想だ」
「だからオレはマフィアなんかならないってば!!」
「うるせぇ」
「イテッ」「10代目ぇ!」「ツナぁ!」
オレがいないタイミングで接触を図られるとは、やられた。
◇◇◇
僕が目を覚ましてから看護師と医者がバタバタとやってきて問診やらなんやらを済ました頃、レイラとマイカが病室に顔を出した。
「よーく寝てたね、恭弥くん」
レイラが人差し指で僕の頰をぶすぶす刺してくる。やめろ。傷を避けて刺してくるが鬱陶しいことこの上ない。
やたら機嫌の良いレイラとレイラを止めないマイカ。この2人が家に帰る夜まで眠っているべきだったかもしれない。
目を開けたとき瞳を潤ませて僕を見るレイラがいた気がしたんだけど、あれは夢だったのか。夢だったんだろうな。にこにこ笑って体の動かせない僕をつついているんだから。