中学生
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『昨日は悪かったね。無事帰れたかい』
「うん、まぁ。不審者にあったけど」
『え?』
「とくに何もされなかった」
『なにそれどういうこと』
日曜の昼、恭弥くんから電話がかかってきた。恭弥くんの話によると今日もまた襲われた人が出たらしい。襲われた人たちはみんな歯が抜かれているそうだ。麻酔なしで歯を抜くとか、絶対痛い。
『君たちは家から出ないほうがいい』
「えー…ちょう暇なんだけど」
『マイカとでも遊んでなよ』
「マイカ朝からパパと何か話してるんだよね」
マイカは今朝パパが帰宅してすぐ部屋にこもって何やら話し込んでいる。ユリも呼ばれて行ってしまったので、わたしは使用人が運んできた昼食をひとりで食べた。
『ああ、君たちの父親にも連絡入れといたから今回の事件の話かもね』
「ふ〜ん」
『とにかく、家で大人しくしてなよ。男と遊びまわるのも止めといたほうがいい』
「流石にこの状況でそんなことしないよ」
『ならいいけど』
恭弥くんはわたしをなんだと思ってるんだろう。男好きみたいに言わないで欲しいな。
『レイラ』
「ん?」
『不審者って男?』
「うん、中学生の男の子だった。顔は悪くなかったなぁ」
『………へぇ』
なにその間。恭弥くんの声がワントーン下がる。自分で聞いといて怒らないでよ。
『まあ、君とマイカが無事ならいいよ』
またね、と電話が切られた。
「はぁ…」
暇。
昼寝でもしようと畳に寝転んだ。
◇◇◇
「六道骸、か」
「ごめんなさい」
「もういい。うちのことは喋ってないんだろ。レイラの病のことは公表してないが隠しているわけじゃない」
「でも…」
パパは気にするなと頭を撫でてくれる。
昨日のうちにパパに連絡して六道骸という人物が夢に出てきたことがあり、レイラと自分のことについて話してしまったことを報告した。パパは仕事終わりの観光を諦めてすぐ帰ってきてくれた。ママとのデート楽しみにしてたのに。
「六道骸については念のため調べていますが、黒曜中に転入してきたということは間違いないようです」
「そうか。引き続き頼む」
「承知致しました」
ユリさんは昨日から迅速に行動してくれていた。昨日帰ってからも改めてお清めしてくれた。
「マイカ、腹減ったろ。昼にしよう」
「うん」
「すぐお持ちいたします」
「頼む」
ユリさんが下がるとパパはうーんと伸びをした。やっぱり移動で疲れてるのかも。
「あ」
「どうしたの?」
「そういえば恭弥が言ってたんだが、並盛中の風紀委員が何者かに襲われて歯を抜かれているらしい」
「恭弥くん、昨日それで現場行くって言ってた」
歯が抜かれる?それは初耳。
「何が目的かはわからんが、お前たちは家から出るなよ。レイラがこっそり抜け出さないよう見張っといてくれ」
「うん」
「解決するまで学校も休んどけ。恭弥が調べてんだから犯人はすぐ見つかるだろうが念のためだ」
「わかった」
「うちの大事な娘達に何かあったら困るからな」
「うん…!」
私達はパパの娘に生まれられて幸運だ。