夢魔と眠る
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「マーリン」
「なんだい?」
ベッドで横になったまま声をかけるとベッドの端に腰かけた彼は振り返った。
「帰っちゃう?」
まだ、いて欲しい。いつもなら許せるけれど今からリツカのところに行くなんて言われたらあの子のこと憎くなりそう。
マーリンは何も言わず笑って、何も纏っていなかった身体に魔術でいつもの黒いインナーを着た。待って、帰り支度しないで。
「帰らないで欲しいって顔だね」
そんなの当たり前じゃない。体温が名残惜しくて、剥き出しの肩に縋り付いく。
「君が眠るまでここにいよう」
「だめ、朝まで居て」
他の男にはこんな面倒なことしない。でもマーリンは何をしても怒らないから好き。肩越しに髪を撫でる優しい手も好き。彼の行動に感情が伴わないことはとっくに知っている。だからこそ自分の欲望を押し付ける相手に選んだのだ。
マーリンがわたしをやんわり引き剥がし、こちらに向き直る。いつもの穏やかな笑顔。帰っちゃいや。首にしがみついて一緒にベッドに倒れこむ。花が舞った。
「わたしが目を覚ますまでいて」
「仰せのままに」
朝はなまえって優しく呼んでキスをしてね。
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