-
昼食後のお昼休みの時間に、いつものように片切友一の机の周りに集まった4人、沢良宜志法が<学校の七不思議>のひとつをみんなに話してきかせたところ、四部誠もそのひとつを知っていて話し、そして次には美笠天智が自分も知っていると発言したのだった。
-
美笠天智
どうする?
俺もこの学校の七不思議のひとつとやらを聞いたことがあるから知っているが。
話していいものだろうか? -
美笠天智
特に心木さん……。
-
美笠天智
嫌ならやめるよ?(^_^)
-
心木ゆとり
えっ!?
うーん、うーんと……。
それってどんなお話なのかな? -
美笠天智
そうだねぇ……
-
心木ゆとり
すっごく怖い!?
美笠君、正直に言って!!
夜ひとりで眠れなくなりそうなほど怖いの!? -
美笠天智
残念ながら……そこまで怖い話ではないかな。
四部の話に比べたら全然大したことないよ。
ただこの学校の七不思議のひとつではあるそうなんだけど。 -
心木ゆとり
なぁんだ……。
-
沢良宜志法
ふーん、そうなんだ、へぇ……?
-
四部誠
なっ、俺が1番だろ、みんな!!
俺がチャンピオンだぜ!!
へへーっ!(*^▽^*) -
沢良宜志法
いやウザいから!!
怖いったって<学校の七不思議>のまだ2つしか話してないじゃない!
他のがもっと怖かったらどうすんの!? -
片切友一
とりあえず俺は天智のその怖い話とやらを聞きたいな。
-
心木ゆとり
そっ、そうだね、友一の言う通りだよ。
あんまり怖くないなら私も大丈夫だから。
美笠君、話して……? -
沢良宜志法
美笠君って、そういう話には興味なさそうなのに、よく知っていたわよね?
-
美笠天智
いや、実は他のクラスの友達に、図書室で聞かされた話なんだ。
こっそりと内緒話っていう感じでね。
事情があって話を止められずに最後まで聞いてしまったんだ。 -
四部誠
さぁさぁさぁーっ!!
話すことも決まったし!!
次はお前の番だな!
天智君!!
それじゃあ張り切って行きましょーっ!! -
美笠天智
四部、だからそれほど大した話ではないと言っているだろう、そんなに期待されても困るな……。
-
片切友一
まぁまぁ、天智、みんな気になってるんだから。
お前が嫌じゃないなら話してくれよ。
<学校の七不思議>がそこまで怖い話だなんて誰も思っちゃいないさ。(^_^;) -
美笠天智
まあ、友一がそう言うなら、話すこと自体は別に構わないが……。
-
図書室の魔を呼ぶ本
-
美笠天智
一時期、頻繁に図書室に来ていた友達がいて、友達といってもクラスも別だし、そこまで仲良くなかったんだ、最近は会えていないし、その子から聞いた話なんだが。
-
沢良宜志法
美笠君はよく図書室に行くものね。
-
美笠天智
うん。
そうなんだよ。
いろいろと読みたい本があってね。 -
四部誠
その友達って女子か!?(^O^)/
-
沢良宜志法
だったらどうだって言うのよっ!!(-_-メ)
-
美笠天智
ああ……まあ、女子なんだけれどもね、たまたま本を探しているところに話しかけられてさ。
彼女も探している本があるって言うんでついでに一緒に探してあげたんだ。
それで流れでそういう話になってさ。 -
心木ゆとり
うん……。
美笠君ならわかる。
私もつい頼っちゃうかも。 -
四部誠
おい、それ、誰ならわかんねーのっ!?
-
片切友一
俺も四部にだけは頼らないよ。(*^▽^*)
-
四部誠
友一、お前、酷くないっ( ̄□ ̄;)!!
-
片切友一
はははっ!
当たり前だろっ。
苦しいからやめろって!
(四部が首に両腕を回し中) -
沢良宜志法
それで……どうしたの?
-
美笠天智
俺はリアリストなんだ。
だから、こういうオカルトめいた話は信じちゃいないんだが、まあな。
彼女が言うには、ここの図書室には本を開くだけで使い魔を呼び出せる本があるらしいんだ。
その本を見つけ出して開いた者はマスターとなり使い魔に願い事を叶えてもらうことができるらしいぞ。
馬鹿馬鹿しい話だとは思うけれどもな。 -
心木ゆとり
……!
-
沢良宜志法
確かに、大した話じゃないぞ、それは。
-
四部誠
つっまんねーの!
あるわけないじゃん、そんな本なんてさーっ。
天智、からかわれたんじゃねーの、七不思議にしてもしょぼいよなぁ。 -
片切友一
……それで、天智、続きはどうなるんだ?
-
美笠天智
……。
-
片切友一
あるんだろ?
-
美笠天智
ああ、うむ、それが……。
友達の話では本を見つけた人がいて、そいつは家庭環境が複雑だったらしくてな、逃げるために放課後も図書室にいつも残っていたらしいんだよ。
そしてその本を探し出して開いて使い魔を本当に呼び出したらしい。
そしてこう願ったそうだ。
『ひとりになりたいから邪魔な家族が全員いなくなってほしい』と……! -
沢良宜志法
えっ……!
-
心木ゆとり
ひぇっ……。
-
四部誠
マジかー……。
-
片切友一
なるほどな。
-
美笠天智
そして、家に帰ったら家族が全員死んでいたそうなんだ、それぞれが酷い殺され方で……。
ただ、アリバイはあるから、強盗殺人事件として処理されたらしい。
こんなことはどうせ全部出鱈目だろうけどな。
この学校には今もその開くだけで使い魔を呼び出せる本があると言われているらしい。
友達もその本を探しているらしかったが。 -
片切友一
ふーん。
そうなのか。
なかなかだったよ。 -
心木ゆとり
その本……私……聞いたことあっ……
-
四部誠
ヤッべェーじゃん!
天智、その友達だって女子、そんな本を探してるなんてさぁっ!
ちょっとアレなんじゃない!? -
沢良宜志法
私も……。
別に何も四部と同意見ってわけじゃないんだけど、美笠君危ないんじゃないの?
そんな妙な人とは仲良くしないほうがいいんじゃない?
話す内容もなんか悪意がありそうだし、しかも本を探しているだなんて。
私はちょっとどうかと思うな!(-_-;) -
片切友一
なぁ、天智、一応その女の子に今度会ったら、何か言っといたほうがいいと思うぞ?
遠回しなSOSかもしんないじゃん。
確かに話自体は馬鹿馬鹿しいものかもしれないけどさ。
そんな嫌な怪談話は普通しないだろうし。
お前は優しいからさー。 -
美笠天智
うーん、そうできるならばそうしたいところではあるが、実はそれが無理なんだ。
-
心木ゆとり
えっ……!?
-
沢良宜志法
どうかしたの?
-
四部誠
話せばいいだけじゃん!
-
美笠天智
相手が学校に来なくなってしまったのでな。
最後に話した時に『例のアレ見つけたよ』と言っていたが。
それ以来会っていないんだ。
だがな……。
俺の私物が最近よく無くなるんだ。
いつの間にか消えるんだよな。
机の上に置いておくとふと目を放した隙に。
だから最近は必ず鞄にしまっておくようにしている。 -
片切友一
……。(;一_一)
-
心木ゆとり
……。(/ω\)
-
沢良宜志法
……。(゜_゜)
-
四部誠
無くし物は交番に届け出るんだぞっ!(^_-)-☆
-
沢良宜志法
あんたはホンットーにウザいわねぇ!!(-_-#)
-
四部誠
志法、ちょっ、勘弁!
(沢良宜が殴りかかって) -
片切友一
あれ、そういえば、心木、さっき何か言いかけてなかったか……っ!?
-
心木ゆとり
う、ううんっ、なんでもない!
大丈夫だよ、友一。
でもこれで<学校の七不思議>も3つかぁ。
意外と全部集まっちゃたりしてね?
エヘヘ……v -
片切友一
心木も何か知ってるのか?
そういう話。
この<学校の七不思議>とか。 -
心木ゆとり
えっ、うん、あるよー。
-
沢良宜志法
あるの!?
-
美笠天智
あるんだ!?
-
四部誠
あるのかよ!?
-
片切友一
あるんだよな!?
-
そして、<学校の七不思議>がようやく3つまで出たところで、これからは心木ゆとりによる残りの怪談が急速に打ち明けられるのであった……。
タップで続きを読む