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「ふふ、どうかなマスター?」

私の目の前のイケメン……もといマーリンは笑った。

とりあえずなんて返せばいいのか分からなかったし、素直に似合ってるなんて言いたくもないし、言ったら調子乗ると思ったので、彼の問いにはスルーして彼の姿を詳しく見てみることにした、が

とてつもなく後悔した。ちゃんと見なきゃ良かった。

目の前の彼は、黒色に金色の刺繍がされた浴衣を身にまとっていた。肩には白色に薄い青色の柄が入った羽織、そしてあと何これストール……だろうか?それは明るい青色にいつもの彼の足元に咲く花が白く描かれていて。

うん……なんだろ。さっきも言いたくなかったけどさ。ほんと、ほんっっっっっとに認めたくないし思いたくもなかったんだけど、その、なんだ、

「(くっそ、イケメンかよ……!!!!似合いすぎ……!!!!)」

もうその言葉しか出てこないぐらいに似合ってるしかっこいいしで。

いや元々マーリンってイケメン枠だと思うけどさ、いつもは胡散臭いのとか色々あって、一緒にいるとその要素が薄れてたりするからそうは思わないから……うん。

認めたくないけど、けど……!!て自分の中で湧き上がる感情を認めたくなくて悶える私を、すっごく面白そうな顔で見てくる彼に腹が立つ。くっっっそ腹立つ!!!

何かもう色々悔しいやらでうぐぐって感じで彼を見つめてたら

「じゃあ、次は君も着てみようかマスター」

「は?」

瞬間彼の手にはいつも持っている杖が。いつの間に。てか何処から現れたそれ。

そして何やら聞き慣れない言葉……きっと呪文だろうか、それを呟いた途端、私の足元は彼がいつも咲かせている光の花に包まれ、そして、花が消えた時には私の格好が先程とは違うものに変わっていた。

というか、え、これ、

「ゆ、浴衣……??」

私が来ているそれは、彼の肩に掛けているのと同じ白色に水色が散りばめられている感じのに、いつも彼の足元に咲いている花が描かれたとても素敵なもので。それに濃い藍色の帯。髪飾りは浴衣に描かれている彼の花を立体化した簪が飾られていて。

「うん、私の見立ては間違ってなかったようだね。よく似合ってるよマスター」

「あ、ありがと……じゃなくて!!何これ?!何で浴衣?!」

「まー色々あって、かな?あとは……私の願いを叶えただけだよ」

意味深な笑みを浮かべてそう言ったマーリン。

その笑みは少し気になるが、願いとは一体何のことだろうか。私に浴衣を着せたいとかそういう……??

「ふふ、まあそれもあるけれど……」

いつの間にか先程より近い距離にいる彼が私の頬に手を伸ばした。

温かくもなく冷たくもないそれにはもう慣れたが、でも突然触れられてびっくりして、その手から逃れるように思わず後ずさった。

そんな私を彼はくすりと笑って

「ただ、いつも"皆のマスター"である君を私色に染めて、独り占めしたかっただけだよ」











「ところでマスター、良ければその格好で少しカルデア内を歩いてみないかい?」

「……何で」

「君の大切な後輩くんは浴衣というものをよく知らないだろう?見せたらきっと喜ぶと思うんだけど」

「っ……!!行ってくる!!」

「こら慌てない慌てない。転んだら危ないから一緒に行こうかマスター」

「…………ちょっとマーリン、何で腰に手回してんの。何で撫でてんの」

「いやあ……どうせなら、と思ってね」

「何がどうせならだこの変態セクハラ魔術師!!!!離せばかーーーー!!!!」























「ま、実はこの姿の彼女を他のサーヴァント達に見せびらかす為なんだけどね。彼らは見たらどんな顔をするかなあ……ふふ、ああ本当に、楽しみだ」



浴衣

(ある意味お揃いのようなそれは、彼の独占欲の証。)



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