第2章
夢小説設定
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もうそんなに時間が過ぎていたのか、と思うと同時に彼女の首元に目をやった。
錆びれた針金が首に巻き付き、そこにまたも錆びれた鈴がぶら下がっていた。
日吉はさっきからずっとそれを気にしていた。
見ていて痛々しいのだ。
どうにかしてやれないだろうか。
眠い頭で必死に考えを巡らせる。
あ、そういえば・・・机の中にリボンがあったような。
日吉は腰を上げ、部屋の脇にある机の引き出しを開けた。
鈴は不思議そうにその光景を眺める。
ガサガサと引き出しの中を探ると、思っていたとおりそこにあった。
真っ赤で綺麗なリボン。
それを持って日吉は鈴のもとへ行き、傍にストンと座った。
鈴は相変わらず不思議そうな顔をしている。
そんな彼女の首に手を伸ばすとビクッと身構えながらも素直に従ってくれた。
ボロボロに老化した針金をゆっくりと外す。
その度に“チリン”といい音で鳴る。
こんなに錆びているのに。
そうして外した鈴を今度はリボンに通し、彼女の首へ締め付けないように優しく巻く。
キュッ・・・、とリボン結びをし手を離すと、
彼女はどうなっているかペタペタと自分の首を触る。
日吉は近くにあった手鏡を彼女に渡すと彼女は鏡を覗き込み、パァッと顔を輝かせた。
「・・・にゃ!かわいい・・・」
その言葉に日吉は顔を綻ばすと、鈴はハッと口を抑えて急いで言い直す。
「まっ、まあまあじゃな!」
そう言って頬を赤くさせながら長い髪を翻し、そっぽを向いてしまう。
全く・・・素直じゃないな。
しかしそんな彼女のことを“可愛い”と思ってしまう自分がいた。
そんな鈴がふあぁとあくびをする。
俺にもあくびが移った。
そろそろ寝るか・・・
日吉は立ち上がり部屋の電気をカチカチッと消した。
布団に寝転がっている彼女を押しのけ、モソモソと布団に入る。
すると押しのけたはずの彼女もモソモソと同じように布団に入ってきた。
「・・・おい、入ってくるな」
「ん・・・寒い・・・」
そういって俺にピタリとくっついてくる。
ったく子供かコイツは。
・・・日吉は今の考えを即座に改めた。
いや、コイツは見た目からしても子供だ、と。
寒い寒いというのでしょうがなく、本当にしょうがなく彼女の肩を抱いてあげると、
すぐにスヤスヤと気持ちよさそうに寝だした。
思わず口元が上がってしまった。
黙っていれば可愛い。
本当にそう思う。
日吉も明日に期待と不安を抱えながらも気づけば夢の世界へと旅立っていった。
第2章 END