第4章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
太陽の日の光で目が覚めれば、時刻は俺の起床時間を指していた。
柔らかなベッドから起き上がりバスローブの紐を解き、
トレーニング用のジャージへと着替える。
小さなあくびをしながらいつもの通りにトレーニングルームへと向かった。
数あるトレーニング器具の中で、
ファイティングロードを休むことなくやり続ければ、自然と汗が滴り落ちる。
寝ぼけていた頭も運動により活性化され、寝ぼけ眼の思考はもはやどこにも無かった。
しばらくやり続け、ふうと一息をつく。
俯けば汗がポタポタと床にシミを作った。
そろそろシャワーを浴びるか。
運動したあとにシャワーで一気に汗を洗い流す。
それが俺の毎朝の日課となっていた。
温かいシャワーを身体に浴びさせ、ほのかに香る薔薇のシャンプーで髪を洗う。
そして濡れたブラウンの髪をタオルで丁寧に拭き取り、氷帝学園の制服へ着替える。
そして再び髪を拭いている最中に思った。
この平和で平凡な毎日。
何事もなく日々を過ごすのはつまらねえ、と。
ただ不意に、ふと、なんとなく、魔が差して・・・。
俺はそう思った。
本当に一瞬そう思っただけ。
別にだからどうこうするつもりは俺にはなかった。
ネクタイを締めながら広い廊下―ギャラリー―を歩く。
そんな俺の後ろには執事のミカエルと数人のメイド達がついてまわる。
そのままホールへと向かって食事をし、その後は登校するために車へと乗り込んだ。
車の窓に肘をかけ、顎の下に手を添え東京の街並みを横目で流し見る。
いつもと変わらぬ風景、変わらない風景。
会社へ急ぐサラリーマンに、
小学校へと歩みを進める小さな団体。
犬と散歩をしているおばさんに、
健康のためかジョギングをしているおじさん。
全てがいつも通りに動いていた。
そんな風景から目を逸らそうとした瞬間、“異物”は俺の視界の片隅から入った来た。
サラリと艶のある黒髪を翻し、
裸足で安っぽいどこかで見たことのあるジャージを身に付け、
小さな女の子が走っていくのが。
俺はソイツに気を取られすぎた。
「ッ・・・!?」
驚きのあまり、勢いで立ち上がれば車の天井に思い切り頭をぶつける。
ドゴッ!
「くぅっ・・・」
鈍い音と共に痛む頭。
馬鹿なことをしちまった、と痛む箇所に手を添えて再び外を確認すれば、少女はもういなかった。
なんだったんだ、今のは。
「だ、大丈夫ですか景吾様!!」
「・・・何でもねえよ」
心配そうな瞳で運転手が後ろに目線を配るのと同時に俺はそう言い放った。
ちゃんと前見て運転しろ、と一喝の言葉を付け足しながら。
足を組み直し、座席により深く座って、さっきの光景を思い出す。
突然の異物に目を奪われた。
見たのは一瞬ながらも、各々の少女の特徴が脳裏に焼き付いて離れない。
少女ながらも少しの妖艶さを感じる。
そんな彼女の姿にゾクリと身と心を震わせた。
これから何かが起きそうな気がする。
そんな不確実な確信を胸に抱き、俺は口元に感情を描き出した。
.