You are sleeping forever.
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どうしてこんな事になったのだろう。
目の前のベッドに静かに息をしている君は、
あまりにも傷だらけで
目を開けてくれない。
返事をしてくれない。
ただただ透明なプラスチックのマスクを曇らせるだけ。
それだけでも医者は奇跡だと言った。
・・・わがままだと思ってくれていい。
もう一度、せめてもう一度。
お前の声を・・・笑顔を。
自分に似合うはずのない しずくが目から頬へと流れ落ちた。
-You are sleeping forever.-
どうして俺を助けた?
何度そう君に問い続けただろうか。
お前は俺を突き飛ばし・・・そして代わりにお前が鉄の塊にひかれた。
けれどお前は最期まで笑顔だった。
どうしてそんなに笑顔でいられる・・・?
君の親にその事を伝えると
"あの子らしい"
と言って涙を流した。
ずっと泣いていた。
・・・違うだろ?
お前らしいのはこんな状態でも、俺にいつものように明るく皮肉を言ってくるのがお前だろ?
どうしてそんなに静かなんだよ。なにか言えよ。
静まり返る白い病室の中に心電図モニタの音だけが甲高く響く。
医者は君が目覚めることは不可能だと言った。
決して信じたくない言葉だった。
君のいないセカイで生きていくことは出来るのだろうか。
君が静かに眠っているだけで、なにも手の着かないこの俺に。
君の微かに温かい手をにぎる。
この手のぬくもりが消える時は来るのだろうか。
そう思うとたまらず俺は君の手にキスを落とす。
いつもなら照れ隠しに拳が出るお前でも、
今はすんなりと俺の愛を受け入れる。
そんな嬉しいことだったのに胸が締め付けられ、また目から頬へと流れ落ちる。
ベッドに顔をうずめると、かすかに君の香りがしたんだ。
俺は・・・お前を守れなかった。
こんな俺が生きていく資格なんて無いに等しいだろう。
ああ、ならば逸そのこと。
『死なないで、景ちゃん』
君の声が聞こえた、気がした。
俺はすぐに起き上がり、君の顔を
見た。
だけどさっき見ていた状態と全く変わりない、
ただ呼吸を繰り返す君ーーー。
だけど確かに声は聞こえた。
俺がお前の声を聞き間違えるはずがない。
・・・例え幻聴だとしても
またお前の言葉に助けられた。
君が"死ぬな"と言うのならば、俺はどんな苦しく残酷な地獄だって生き抜いて見せよう。
今の君を愛し続けれるのは、この俺だけ。
「そうだろう?倉永」
君にそう問うと、俺の中の倉永は
きれいに笑った。
END