第二章
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皆がダイニングを後にしてから
テーブルの隅で取っておいた自分の分の食事を食べる。
「意外だな。」
そう言いながら隣にドカッと座ってきたのは
キッドだった。
「何が?」
「てめェが料理なんかできると思わなかったもんだからよ。」
「それはどうも。」
お腹が満たされたせいか、口は悪いが悪態をついてこないところを見ると機嫌が良いようだ。
「冗談抜きにうまかったよ。野郎だけで旅してきたから船でうまい飯食えるのはありがたい。」
そう言いながらキラーが向かい側に腰掛けた。
「ありがとう、キラー。」
にっこりとキラーに笑顔を向ける。
「おいてめェ、俺とずいぶん態度が違うな。」
「そう?」
「料理はずっとやってたのか?」
「私が住んでた村には風習があって、結婚に向けて女は小さい頃から花嫁修業させられるの。だから家事は基本得意なんだ。」
自慢げに言えばキッドが鼻で笑った。
「家事が得意でもその性格じゃ嫁ぎ先もねェだろ。」
「失礼な!女は16で婚約して18までに結婚する。それが村の掟なの。こう見えて私にも婚約者がいるんだから。」
「お前に婚約者!?」
大声で爆笑するキッド。
「格好良くて大人の余裕があって、私に優しくしてくれる、あんたとは正反対の素敵な人よ。」
「そんな奴がお前を婚約者にするわけねェだろ。それかとんだモノ好き野郎だな。」
キッドは笑いながら私のお皿から肉を一つ奪い、それを頬張りながら行ってしまった。
「……キラー、私やっぱりあいつと仲良くなれる気がしないわ。」
「まぁ仕方ないな。婚約してるってことは、結婚も決まってるのか?」
「うん。式は2ヶ月後。だからそれまでにどうしても島へ帰りたいんだけど……」
「意外と時間がないな。明日にはこの島のログは貯まるだろうが。ミドリの島までどのくらいかかるか。」
「そっか……でも送ってくれるだけで十分だよ。」
不安はあったけどキラーに笑顔を向けて
私は残りの食事を済ませた。