笑顔をみせて/キラー
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そんな時、次の島に着いた。
偵察へ行くと、今度の島は前回とは違い
人が住んでいて、街もあった。
ただ、ここ最近は人身売買目的の
人攫いが現れるという話を聞いた。
まァ、うちの野郎どもは大丈夫だろうが
問題はミドリだ。
島に着いたら買い出しをしたいと言っていた。
「今日、ミドリを街へ連れてってやってくれないか。」
「……チッ…なんだよお前まで…。」
朝食後、暇そうにしているキッドに声をかけると
舌打ちを返された。
「昨日本人に連れてけって頼まれたよ。」
「なんだ、じゃあいいじゃないか。暇だろ。」
「てめェが行け、キラー。」
「俺は調べ物があるし、日誌もたまってるんだ。誰かが全くやらないからな。」
キッドは罰が悪そうに頭をガシガシと掻く。
「治安の悪い街で、ひとりで行かせるのは危険だ。付き合ってやってくれ。」
俺はキッドの肩に手を置いて
言い逃げするようにその場を離れた。
キッドとミドリを行かせようと思ったのは
2人の関係性に興味が湧いたからだった。
キッドの、これまで会ってきた女への態度と
ミドリへの態度の違いが
長年ヤツと連れ添ってきた俺は
気になって仕方がなかった。
しばらくして甲板へ行くと
キッドとミドリが船を降りていくのが見えた。
ドカドカと前を歩くキッドの後ろを
ミドリがついていく。
心なしか、少し嬉しそうな表情で。
その顔を見て、俺は胸の内側がモヤモヤとする。
その理由に気付くのはもう少し後のことで。
とにかく俺は、自分から提案しておきながら
その状況を目の当たりにして
いい気がしなかった。