最終章
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母との会話のせいもあって
私の頭の中はまた、ヤツのことでいっぱいになった。
——頭は俺だってことを忘れてねェか。
最初は本当に嫌なヤツだと思った。
——ワンピースを手に入れて、海賊王になるためだ。
でも夢を語る横顔は
野心に満ちていて少しカッコ良くて。
——ひとりにして悪かった……
人攫いから助け出してくれた時から
ひとりの男の人として惹かれ始めた。
——うるせェ口だな。
初めてのキスも
——ミドリ……
初めて肌を重ねて、涙したときも
——てめェが好きだっつったんだ。
気持ちを伝えてくれたときも
キッドのひとつひとつが頭に浮かぶ。
今でも鮮明に。
会いたい。
畳んだタオルに顔を押し付ける。
「……もう一度だけ…」
気付けば走り出していた。
これが本当の本当の本当に最後。