番外編 〜最後の手料理を〜
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
荷物をまとめると
ベッドとテーブル以外何もない部屋になった。
私が初めてここに来たときと同じ。
ベッドに大の字に寝転がり、天井を見上げる。
キラーの予想が当たれば
明日、私の島に着く。
船で過ごす最後の夜。
窓の外から聞こえる波の音に身を預けるように
私はそっと目を閉じた。
「きっといつか」番外編
〜最後の手料理を〜
朝食の片付けを終え
私はキラーの部屋へ向かった。
コンコン——
「キラー、いる?」
「ミドリか。入れよ。」
テーブルで何か書き物をしていたようで
私はその横のベッドに腰掛けた。
「ねぇ、キッドの好きな料理って何かな?」
「キッドの?」
「あの…最後に好きなものを作ってあげくて。キラーなら知ってるでしょ?」
「なるほどな。ロールキャベツだよ。」
「ロールキャベツ!」
少し意外だった。
もっとガッツリ系の、肉肉しいものが好きだと思っていたから。
「ありがとう!作ってみる!」
「あぁ。喜ぶといいな。」
早く作りたい。
浮き足立ってキラーの部屋から出ると
たまたま目の前を通りかかったキッドとぶつかりそうになった。
「あっ、ごめん!」
「……何ニヤけてやがんだ。気持ち悪ィな。」
「えっそうかな。」
思わず手で口を隠す。
キッドの喜ぶ顔を想像していたからかな。
でも、キッドがここにいたということは……
「あの、話聞こえてた?」
「あ?何のだよ。」
「私とキラーの……」
「たまたま通りかかっただけだよ。」
キッドはなんだか不機嫌そうに
そのままドスドスと行ってしまった。