第八章
お名前設定
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「えっ……」
今、なんて……
「てめェが好きだっつったんだ。認めたくなかったけどな。」
今度は目を逸らし、少し照れ臭そうに言った。
「だからさっきは、どうしても止められなかったんだよ。」
「ずるいよぉ……」
私はキッドの手を取って
自分の両手で握った。
「離れていっちゃうくせに、そんなこと言うなんてずるい。」
できることなら、このままこの手を離したくない。
キッドは何も言わず、私の腰に手を回すと
そのまま抱き上げる。
あぐらをかくキッド膝の上に
私の体はすっぽりとおさまった。
「ミドリ……」
名前を呼ばれて顔を見る。
いつになく、真剣な表情だった。
「島に着いたら俺のことは忘れろ。」
私は返事をせず
キッドの大きな背中に手を回して顔を埋めた。
涙がずっと止まらない。
キッドは私が泣き止むまで
静かに背中を撫で続けてくれた。