第八章
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第八章
まだ昼前。窓の外は明るい。
耳をすませば、波の音や仲間たちの声も聞こえてきそうだ。
でもそんなことは関係なく
今はただ、大好きな人の全てを感じていたい。
余計なことは何も考えずに
キッドのことだけを考えて
全身でキッドを感じて、全てを彼に委ねた。
それは全く知らなかった世界。
今のキッドは、私の知ってる横暴で自分勝手な彼ではなかった。
全てが優しくて、甘い。
触れられるだけで溶けてしまいそうなほど熱い。
もちろん、痛みもあったけど
それはすぐに心地の良い快楽へと変わっていった。
満たされた、幸せな時間だった。
「ミドリっ……ミドリ……」
キッドは何度も名前を呼んでくれた。
そして
「…っ………」
静かに涙を流していた。
キッド、どうして泣いてるの?
そんなことを聞く余裕もなく
私は両手を頬に添えて彼の涙を拭い
そのまま引き寄せて、口付けをした。