第七章
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「お恥ずかしいです。」
「面白いことになったな。ミドリが船に来た時は水と油だったのにな。」
表情は見えないが、なんだか嬉しそうなキラー。
「すごく悔しいんだけどね……」
「まぁ俺としては親友の良さに気付いてくれて嬉しいがな。このまま一緒に来たらいいじゃないか。と言いたいところだが…そう簡単にはいかないか。」
「キッドが自分の身すら守れない私を、そばに置いてくれるとは思わない、でしょ?」
「……まぁな。」
「それに、もしもキッドがそばに置いてくれたとしても、婚約者の彼や両親を裏切ることになる。」
キラーはコーヒーを吸いながら静かに聞いてくれるので、私は今まで溜め込んでいた悩みを打ち明けた。
「キッドへの想いは断ち切って、彼の元に戻って予定通り結婚するのが一番良いとはわかってるんだけど……どうしても頭から離れなくて……」
鼻の奥がツンとなる。
「あいつが本当に根っからの嫌なヤツだったら良かったのに。」
また涙が出そうだ。
「ねぇキラー、どうしたらあの男を忘れられるのかな?」
「その手の話は俺も得意じゃないんだが……とりあえず、今俺に言ったことをそのままキッドに言ったらどうだ?」
「えっ……」
「全て伝えたらいい。気持ちをぶつけろ。お前の全てを受け止めきれないほど、あいつの器は小さくない。お前をこんなに悩ませてる原因はあいつなんだから、2人で解決しろ。」
「私の気持ちを……」
そんなこと、考えもしなかった。
キッドへの気持ちを誤魔化すことに必死で。
この気持ちを伝えたら、何か変わるのだろうか。
いっそのこと、お前になんか全く興味ないと
思いっきりフッてくれれば
諦めがつくだろうか。
キラーの大きな手に頭を撫でられる。
「がんばれよ。」
私は残ったコーヒーを一気に飲み干して
立ち上がる。
「ありがとう。少し風にあたってくる。」
「あぁ。コーヒーありがとうな。」