第七章
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第七章
目が覚めると、船の中の自分の部屋だった。
昨日は皆と外でバーベキューをして
初めてお酒を飲んだ。
なぜだかすごく寂しくなって泣いてしまって
キッドに嫌がられた記憶があるけど
そこからどうやって部屋に帰ってきたのか覚えていない。
誰かに運んでもらった気がするんだけど。
頭がズシンと重い。
皆の朝食の時間があるので
仕方なく起き上がり、着替えを済ませ
キッチンへ向かった。
ーーーーーー
朝食を終えると
クルーの皆も、心なしか疲れが見えた。
きっと昨日飲み過ぎてしまったんだろう。
何人か起きてこない人もいた。
そんな中、キッドとキラーだけがいつもと変わらぬ様子で
皿洗いをしている私のところへ来て、正面のカウンターに座った。
「あまり気分がすぐれないみたいだな。」
キラーに言われて私は苦笑いをする。
「慣れないお酒なんて飲んだからかな。これ二日酔いってやつでしょ?頭痛いの。」
「たった一杯でダセェな。」
キッドが嬉しそうに笑った。
「キッドもキラーもあんなにたくさん飲んでたのに何とも無さそうだね。私なんか昨日途中からの記憶がなくて……あ、もしかしてキラーが部屋に運んでくれたの?」
「いや、それは」
「俺だアホ。記憶にないとはいい度胸だな。」
キラーにお礼を言おうとしたら
ものすごく不機嫌そうにキッドに睨まれた。
「あ、そうだったんだ。ごめん、ありがとう。」
キッドに抱き抱えられたのか、と思うと
少し恥ずかしくもあった。
「……ってことはお前、寝る直前のことも覚えてねェのか?」
「え?何のこと?」
「……何でもねェ。」
「何よ!気になるじゃん!私変なことしちゃった?」
「お前が変なのはいつものことだろ。」
「ひどい!」
寝る直前……?
はっきり言って全く覚えていない。
うっすらと残っている記憶を辿る。
お酒を飲んでたら、なぜか急に涙が出てきて
キッドに面倒くさがられて
寝てろって言われて…
そうだ。そのままキッドに膝枕を……
思い出したとたん、急に顔が熱くなって
キッドの顔を見られなくなった。
でも思い出せたのはそこまでで
その先のことは本当に思い出せない。
これ以上考えるともっと頭痛がひどくなりそうだったので、食器の片付けに意識を戻した。